美学・美術史概論(美術史) 二〇一九


<第四講> ウィーン、美術史美術館ほか

ヨーロッパ地図

◆音楽の都―ウィーン

・モーツァルト、ベートーヴェンが活躍。ウィーン・フィル、ウィーン少年合唱団が有名

・オーストリア=ハンガリー帝国ハプスブルク家の帝都

世紀末美術の中心地、分離派の活躍

◆ハプスブルク家

1273年 ルドルフ1世が神聖ローマ帝国皇帝に選ばれる

カール5世(在位1519-1556)の時代に全盛を迎える(スペイン、ネーデルラント、ナポリ、中南米を支配)

1556年 カール5世退位後、弟フェルディナント1世が神聖ローマ皇帝に即位、息子フェリペ2世がスペイン王位を継承して、ハプスブルク家がオーストリア系とスペイン系に分裂

ルドルフ2世(在位1576-1612)が収集の基礎作り

1765年 ヨーゼフ2世(在位1765-1790, ハプスブルク=ロートリンゲン家)が神聖ローマ帝国皇帝に即位。マリア・テレジアが(1780年没)がハプスブルク家最後の皇后となる

(参考作品) ハンス・フォン・アーヘン《神聖ローマ皇帝ルドルフ2世》、1600-03年頃、油彩・カンヴァス、60.0×48.0cm、美術史美術館

ウィーン主要部地図


美術史美術館

31. コレッジョ《イオ》、1531年、油彩・カンヴァス、163.5×74.0cm、美術史美術館

31. コレッジョ《イオ》(部分:ユピテルとイオ)

31. コレッジョ《イオ》(部分:水を飲む鹿)

(参考図版) コレッジョ《ガニュメデス》、《イオ》、《レダ》、《ダナエ》

美術用語J ゼウス


美術史の方法論B 典拠の有無の確認と照合:

1. 典拠の有無:

 ・旧約聖書、新約聖書、外典など

 ・ホメロス『イーリアス』『オデュッセイア』

 ・オウィディウス『変身物語』

2. 典拠との照合:

 ・選択された場面(人物、小道具、背景など)

 ・提示されている解釈(表現の力点)


32. ブリューゲル《謝肉祭と四旬節の喧嘩》、1559年、油彩・板、118.0×164.5cm、美術史美術館

32. ブリューゲル《謝肉祭と四旬節の喧嘩》(部分:謝肉祭の擬人像)

32. ブリューゲル《謝肉祭と四旬節の喧嘩》(部分:四旬節の擬人像)

美術用語K 擬人像

33. ブリューゲル《バベルの塔》、1563年、油彩・板、114.0×155.0cm、美術史美術館

33. ブリューゲル《バベルの塔》(部分:ニムロデ王の訪問)

33. ブリューゲル《バベルの塔》(部分:画面左の街並み)

33. ブリューゲル《バベルの塔》(部分:画面右半分)

33. ブリューゲル《バベルの塔》(部分:クレーンなど)

34. アルチンボルド《四季―夏》、1563年、油彩・板、67.0×50.8cm、美術史美術館

34. アルチンボルド《四季―夏》(部分:顔)

(参考図版) アルチンボルド《四季―冬》、1563年、油彩・板、66.6×50.5cm、美術史美術館

(参考図版) 歌川国芳《みかけはこはゐがとんだいゝ人だ》、1847-48年、大判錦絵、35.5×24.8cm、山口県立萩美術館・浦上記念館

35. ベラスケス《青い服の王女マルガリータ》、1659年、油彩・カンヴァス、127.0×107.0cm、美術史美術館

36. フェルメール《絵画芸術の寓意》、1666-67年頃、油彩・カンヴァス、120.0×100.0cm、美術史美術館


ウィーン主要部地図

オルブリヒ分離派館

37. クリムト《ベートーヴェン・フリーズ》、1902年、ガゼイン塗料、化粧漆喰、塗金216.0×3088.0cm、オルブリヒ分離派館

37. クリムト《ベートーヴェン・フリーズ》(部分/左壁:幸福への憧れ、か弱き人間の苦しみ)

37. クリムト《ベートーヴェン・フリーズ》(部分/左壁:幸福への憧れ)《完全武装の勇者》

37. クリムト《ベートーヴェン・フリーズ》(部分/正面:敵意に満ちた力)《巨大な怪獣ティポン》、《ゴルゴン3姉妹》、《不幸、愚行、死》、《邪欲、不貞、不摂生》、《悲嘆する苦悩》

37. クリムト《ベートーヴェン・フリーズ》(部分/正面:敵意に満ちた力(左半分))

37. クリムト《ベートーヴェン・フリーズ》(部分/正面:敵意に満ちた力(右半分))《悲嘆する苦悩》

37. クリムト《ベートーヴェン・フリーズ》(部分/右壁:歓喜)《ポエジー》、《芸術》

37. クリムト《ベートーヴェン・フリーズ》(部分/右壁:歓喜)《天使のコーラス》

卒論のヒント C ファム・ファタル


ウィーン主要部地図

オーストリア・ガレリー

38. クリムト《接吻》、1907年、油彩・カンヴァス、180.0×180.0cm、オーストリア ・ガレリー

39.エゴン・シーレ《死と乙女》、1915年、油彩・カンヴァス、150.0×180.0cm、オーストリア・ガレリー

美術用語L 世紀末

映画紹介「エゴン・シーレ 死と乙女」


ウィーン主要部地図

レオポルド美術館

40. エゴン・シーレ《ヴァリ・ノイツェルの肖像》、1912年、油彩・カンヴァス、32×39.8cm、レオポルド美術館


まとめ

音楽の都ウィーン=オーストリア=ハンガリー帝国の帝都

・ハプスブルク家/神聖ローマ皇帝ルドルフ2世

・美術史美術館

・オルブリヒ分離派館

・オーストリア・ガレリー

・レオポルド美術館

・美術用語:ゼウス擬人像世紀末

・美術史の方法論:典拠の有無の確認と照合

 ―典拠:聖書ホメロスオウィディウスなど

 ―場面の「選択」や「解釈」に着目


作家一覧

1.コレッジョ(1489頃-1534)Correggio

2.ピーテル・ブリューゲル(1525/30-1569)Pieter Bruegel I

3.ジュゼッペ・アルチンボルド(1527-1593)Giuseppe Arcimboldo

4.ディエゴ・ベラスケス(1599-1660)Diego Velázquez

5.ヨハネス・フェルメール(1632-1675)Johannes Vermeer

6.グスタフ・クリムト(1862-1918)Gustav Klimt

7.エゴン・シーレ(1890-1918)Egon Schiele