美学・美術史概論(美術史) 二〇一九


<第五講> ミュンヘン、アルテ・ピナコテークほか

ヨーロッパ地図

◆芸術とビールの都―ミュンヘン

・南ドイツの中心都市(ベルリン、ハンブルクに次いで3番目)

・オクトーバーフェスト(9月半ばから10月上旬、毎年約600万人が参加)

・バイエルン州の州都(バイエルン王家ヴィッテルスバッハ家の美術蒐集)

・ミュンヘン新芸術家協会(1909-20)

・青騎士(ブラウエ・ライター 1911-14)

◆ヴィッテルスバッハ家

1180年 オットー1世がバイエルン公となる

1314年 ルートヴィヒ4世が神聖ローマ皇帝に選ばれる(在位1314-1347)

1789年 フランス革命。革命軍のドイツ侵攻
1800年 ナポレオン軍により72点の絵画がパリへ

1826年 バイエルン王ルートヴィヒ1世(在位1825年-1848年)が美術館を構想

1836年 ピナコテーク開館

卒論のヒント D 美術館の誕生

(参考作品) ヨーゼフ・カール・シュティーラー《バイエルン王ルートヴィヒ1世》、1826年頃、油彩・カンヴァス、244×171cm、ノイエ・ピナコテーク

ミュンヘン主要部地図


アルテ・ピナコテーク

41. メムリンク《聖母の7つの喜び》、1480年、油彩・板、81×189cm、アルテ・ピナコテーク

41. メムリンク《聖母の7つの喜び》(部分1):「受胎告知」/「キリストの誕生を予告する天使」/「嬰児虐殺」/「キリスト降誕」/「寄進者」

美術用語M 幼児虐殺

41. メムリンク《聖母の7つの喜び》(部分2):「東方三博士の礼拝」

美術用語N マギの礼拝

41. メムリンク《聖母の7つの喜び》(部分3):「キリスト昇天」/「聖母被昇天」/「マリアの聖体拝領(?)」/「聖母の死」/「我に触れるな」/「キリストの復活」/「聖霊降臨」

美術用語O ノリ・メ・タンゲレ

42. パッハー《四教父の祭壇画》、「聖アウグスティヌスと聖グレゴリウス」、各212×100cm/「聖ヒエロニムスと聖アンブロシウス」、各216×91cm、1480-83年頃、アルテ・ピナコテーク

美術用語P ヒエロニムス

42. パッハー《四教父の祭壇画》(部分:聖アウグスティヌスと聖グレゴリウス)

美術用語Q アトリビュート


美術史の方法論C 帰属(アトリビュート)の確認:

・作者の同定

・サイン、契約書、財産目録

・「〜工房」「〜派」「〜の追随者」など

・「伝〜」(過去に誰に帰属されてきたか)


43. デューラー《自画像(1500年)、1500年、油彩・板、67×49cm、アルテ・ピナコテーク

43. デューラー《自画像(1500年)(部分) モノグラムと書き込み

44. デューラー《四人の使徒》、1526年、油彩・板、アルテ・ピナコテーク

44. デューラー《四人の使徒》(部分:聖ヨハネと聖ペテロ)、215.5×76.0cm

44. デューラー《四人の使徒》(部分:聖パウロと聖マルコ)、214.5×76.0cm

45. アルトドルファー《アレクサンドロスの戦い》、1529年、油彩・板、158.4×120.3cm、アルテ・ピナコテーク

45. アルトドルファー《アレクサンドロスの戦い》(部分:敗走するダレイオス3世)

46. ルーベンス《最後の審判(大)、1615-16年頃、油彩・カンヴァス、602×452cm、アルテ・ピナコテーク

46. ルーベンス《最後の審判(大)(部分1)、「聖三位一体」「聖母マリア」「審判者キリスト」

46. ルーベンス《最後の審判(大)(部分2)、「引き上げられる者と引きずり下ろされる者」

(参考図版)ルーベンス《最後の審判(小)、1617-18年頃、油彩・板、182×120cm、アルテ・ピナコテーク

(参考図版)《最後の審判(大)》 と 《最後の審判(小)》の大きさ比較

47. ブーシェ《ポンパドゥール夫人の肖像》、1756年、油彩・カンヴァス、201×157cm、アルテ・ピナコテーク


ミュンヘン主要部地図

ノイエ・ピナコテーク

48. ガブリエル・フォン・マックス《恍惚の乙女アンナ・カタリナ・エンメリック》、1885年、油彩・カンヴァス、84.5×67.6 cm、ノイエ・ピナコテーク

49. クノップフ《私は私自身に扉を閉ざす》、1891年、油彩・カンヴァス、72×140cm、ノイエ・ピナコテーク


ミュンヘン主要部地図

レンバッハハウス美術館

50. フランツ・マルク《青い馬 I》、1911年、油彩・カンヴァス、112×84.5cm、レンバッハハウス美術館

(参考)「カンディンスキーと青騎士」展(山口県立美術館 2011年7月5日―9月4日)


まとめ

芸術とビールの都ミュンヘン=バイエルン州の州都

ヴィッテルスバッハ家/バイエルン王ルートヴィヒ1世

・アルテ・ピナコテーク

・ノイエ・ピナコテーク

・レンバッハハウス美術館

・美術用語:幼児虐殺マギの礼拝ノリ・メ・タンゲレヒエロニムスアトリビュート

・美術史の方法論:帰属(アトリビュート)の確認

 ―作者の同定

 ―過去に誰に帰属されてきたか


作家一覧

1.ハンス・メムリンク(1430/40頃-1494)Hans Memling

2.ミヒャエル・パッハー(1435-1498)Michael Pacher

3.アルブレヒト・デューラー(1471-1528)Albrecht Duerer

4.アルブレヒト・アルトドルファー(1480頃‐1538)Albrecht Altdorfer

5.ピーテル・パウル・ルーベンス(1577-1640)Pieter Paul Rubens

6.フランソワ・ブーシェ(1703-1770)François Boucher

7.ガブリエル・フォン・マックス(1840-1915)Gabriel von Max

8.フェルナン・クノップフ(1858-1921)Fernand Khnopff

9.ヴァシリィ・カンディンスキー(1866-1944)Wassily Kandinsky