ヨーロッパ絵画 美の400年


1. ヨーロッパ絵画 美の400年 珠玉の東京富士美術館コレクション スライド

企画展巡回展コレクション展
会期:2019年9月3日~10月22日
会場:山口県立美術館
主催:山口県立美術館、読売新聞社、KRY山口放送


巡回スケジュール

茨城県近代美術館 2020.2/20~4/12
富山県美術館 5/23~7/5
大分県立美術館 7/22~9/6
宮崎県立美術館 9/12~11/3
沖縄県立博物館・美術館 12/19~2021.1/31

  cf. 大ナポレオン展 2009年8月5日~9月13日


コレクション展

単一の美術館の収蔵作品を紹介する展覧会。特殊な例として、古いコレクションが解体されて、現在、複数の美術館に分かれて所蔵されている場合、それらを再構成して紹介することがある

単一の美術館から一括借用した作品で展覧会を構成するため、複数の美術館から数点ずつ作品を借用する場合と比べて、輸送費・保険料等の経済的負担を軽減することが可能

・常設展示を常態としている欧米の美術館からの借用の場合、美術館の改修工事等で「門外不出の名品」が借用可能な機会に開催される

・コレクションの知名度個性が開催成否の鍵


ヨーロッパ絵画 美の400年の章立て

 第Ⅰ部 絵画の「ジャンル」と「ランク付け」

1. 歴史画―神話、物語、歴史を描く~絵画の最高位~
2. 肖像画―王侯貴族から市民階級へ~あるべき姿/あるがままの姿~
3. 風俗画―市井の生活へのまなざし
4. 風景画―「背景」から純粋な風景へ~自然と都市~
5. 静物画―動かぬ生命、死せる自然

 第Ⅱ部 激動の近現代―「決まり事」の無い世界

1. 「物語」の変質
2. 造形の革新


絵画のヒエラルキー

 フランス・アカデミー(Hiérarchie des genres ジャンルの上下関係)

1. 歴史画(物語画・神話画・宗教画)
2. 人物画(肖像画・集団肖像画)
3. 風俗画
4. 風景画
5. 静物画

  ※アンドレ・フェリビアン(André Félibien, 1619-1695)が1667年に基本的なアイデアを提出

“完璧な風景画を描く者は、果物や花、貝しか描かない者より上である。生きている動物を描く者は、静物画や動かない対象を表現する者より評価できる。人間の形象が、神の手による地上における最も完璧な作品であることと同様に、神に倣って人間の形象を描く者が、他のすべてと比べても最も卓越している……。肖像画しか描かない画家は、こうした芸術の高い完全性を持たないし、あらゆる知識に通じているという名誉を主張することもできない。一人の人物像よりも多くの人々から成る群像の表現へと進むべきであり、歴史物語や寓話を扱うべきであり、歴史家のように偉大な行為について表現するか、もしくは詩人のように共感される主題を表現するべきである。そしてさらなる高みに達するために、それらの表現はアレゴリーの組み合わせによって成されなければならず、寓話のヴェールの下に隠れている偉大な人物たちの美徳や、至高の神秘を見抜かなければならない。”

――フェリビアン 1668

Source: Hiérarchie des genres <http://fr.wikipedia.org/wiki/Hi%C3%A9rarchie_des_genres> (2015/4/27)


2. 作品紹介

 I-1. 歴史画―神話、物語、歴史を描く~絵画の最高位~

1. ベルナルド・ストロッツィ《アブドロミノに奪われた王位を返還するアレクサンドロス大王》、1615-17年頃、油彩・カンヴァス、123×175 cm、東京富士美術館
2. ジャック=ルイ・ダヴィッドの工房《サン=ベルナール峠を越えるボナパルト》、1805年、油彩・カンヴァス、73.5×59 cm、東京富士美術館

 I-2. 肖像画―王侯貴族から市民階級へ~あるべき姿/あるがままの姿~

3. ティントレット(ヤーコポ・ロブスティ)《蒐集家の肖像》、1560-65年、油彩・カンヴァス、110×90 cm、東京富士美術館
4. ジョン・シンガー・サージェント《ハロルド・ウィルソン夫人》、1897年、油彩・カンヴァス、152.5×96.5 cm、東京富士美術館

 I-3. 風俗画―市井の生活へのまなざし

5. パオロ・ヴェロネーゼと工房《少年と騎士見習》、1570年代、油彩・板から移されたカンヴァス、205×104 cm、東京富士美術館
6. ウィリアム・アドルフ・ブーグロー《漁師の娘》、1872年、油彩・カンヴァス、116×87.5 cm、東京富士美術館

 I-4. 風景画―「背景」から純粋な風景へ~自然と都市~

7. ヤン・ファン・ホイエン《釣り人のいる川の風景》、1644年、油彩・カンヴァス、100.6×134.9 cm、東京富士美術館
8. カナレット(ジョヴァンニ・アントニオ・カナル)《ヴェネツィア、サン・マルコ広場》、1732-33年頃、油彩・カンヴァス、61×96.5 cm、東京富士美術館

 I-5. 静物画―動かぬ生命、死せる自然

9. アンリ・ファンタン=ラトゥール《葡萄と桃のある静物》、19世紀後半、油彩・カンヴァス、30×41 cm、東京富士美術館


 II-1. 「物語」の変質

10. ジョセフ・マラード・ウィリアム・ターナー《ヘレヴーツリュイスから出航するユトレヒトシティ64号》、1832年、油彩・カンヴァス、91.4×122 cm、東京富士美術館
11. ジャン=バティスト・カミーユ・コロー《ユディト》、1872-74年頃、油彩・カンヴァス、105.5×62.2 cm、東京富士美術館
12. ジャン=フランソワ・ミレー《鵞鳥番の少女》、1866-67年、油彩・カンヴァス、45.7×55.9 cm、東京富士美術館
13. シャルル=フランソワ・ドービニー《ヴィレールヴィルの海岸》、1870年、油彩・カンヴァス、106×216 cm、東京富士美術館
14. エドゥワール・ヴュイヤール《婦人と子供》1904年、油彩・カンヴァス、56×54.5 cm、東京富士美術館
15. アメデオ・モディリアーニ《ポール・アレクサンドル博士》、1909年頃、油彩・カンヴァス、100.5×81.5 cm、東京富士美術館

 II-2. 造形の革新

16. ウジェーヌ・ブーダン《ベルクの海岸》、1878年、油彩・カンヴァス、77×108 cm、東京富士美術館
17. ギュスターヴ・カイユボット《トルーヴィルの別荘》、1882年、油彩・カンヴァス、65×82 cm、東京富士美術館
18. クロード・モネ《睡蓮》、1908年、油彩・カンヴァス、101×90 cm、東京富士美術館


3. まとめ

 ・コレクション展

―美術館の収集方針とコレクションの特色
―コレクションを代表する名品と関連作品
―巡回によるコレクションの「活用」
―常設展を中心とする欧米の美術館
―常設されている作品の一部と多くの収蔵庫作品

 ・芸術文化の「序列」

―17世紀フランスで成立した絵画のヒエラルキー(=上下関係)
―歴史画、人物画、風俗画、風景画、静物画
―現代日本の大衆文化(~1980頃まで)
―洋画(欧>米)、TVドラマ(海外>日本)、マンガ cf. Murakami Takashi ed., Little Boy, (New York: Japan Society, 2005): 174.