ヴェネツィア・ビエンナーレ国際美術展(賞制度)


0. 「Cosmo-Eggs|宇宙の卵」報告会 スライド

・災害との共存/人と自然、人と無生物との共存
  東日本大震災
  地球温暖化

・異なる職能をもつ専門家のコレクティヴ→共異体
  下道基行(美術家)
  安野太郎(作曲家)
  石倉敏明(人類学者、秋田公立美術大学准教授)
  能作文徳(建築家、東京電機大学准教授)

・ヘテロトピア(混在郷)を想像するためのプラットフォーム
  映像、音楽、テキスト、建築を同時に体験

日本館「宇宙の卵」展示風景

・安野太郎《COMPOSITION FOR COSMO-EGGS "Singing Bird Generator"》(部分)

津波石と第18共徳丸


カッティング・エッジ

・the cutting edge (of sth): the newest and most exciting stage in the development of something

Longman Dictionary of Contemporary English, 6th Ed., 4th pr. 2016: 440.

・「刃先」を意味する英語の成句。転じて、「最先端」や「過激な」といった意味で使用される。

Wikipedia.jp/ カッティング・エッジ(2019/12/10)

・ビエンナーレ、トリエンナーレなど周期的に開催される国際美術展には、その時点での最先端のアートの主題や表現を紹介する役割が期待されている。


1.ヴェネツィア・ビエンナーレ第58回国際美術展 スライド

・会期:2019年5月11日-11月24日
・総合監督:ラルフ・ルゴフ(1957年生まれ、ロンドン、ヘイワード・ギャラリーのディレクター)
・テーマ:数奇な時代を生きられますように(May You Live in Interesting Times)
・国別参加部門の参加国数:90ヵ国
・国際企画展部門の参加作家数:79名


 ◆国際企画展部門

毎回異なるキュレーターが抜擢され、独自のコンセプトのもとで作家や作品を選定して構成される(1999年から始まる)

 ◆国別参加部門

各国の代表作家による展示。ジャルディーニに展示館を持つ国が約30、アルセナーレの会場を長期で借りている国が約20、市内の教会などを一時的に借りて展示を行う国が約30ある(第58回展では90か国が参加)

 ◆並行展部門

ビエンナーレ事務局から認定された参加企画展


 ◆ヴェネツィア・ビエンナーレの賞制度

・金獅子賞(1949~/1986~)

・ヴェネツィア国際映画祭の最高賞(1949年~)
  1951年 黒澤明「羅生門」
  1958年 稲垣浩「無法松の一生」
  1997年 北野武「HANABI」

・1986年より、ヴェネツィア・ビエンナーレ国際美術展でも授与。2009年の第53回展では国別参加部門、国際企画展部門、生涯業績部門の3部門、および若手美術家へ銀獅子賞を設定。2003年の第51回展では35歳未満の美術家やイタリア若手女性美術家への金獅子賞も設定された。イタリア語で「 Leone d'Oro 」

・1974年、学生運動の余波を受けて開催見送り。1976年の第37回展以降、授賞制度を廃止していた。

・獅子=ヴェネツィアの守護聖人聖マルコの象徴 スライド


 ◆ヴェネツィア・ビエンナーレ第58回国際美術展 スライド

金獅子賞
  国別参加部門:リトアニア館(リナ・ラペリテ, ヴァイヴァ・グライニテ, ルギーレ・バルズジュカイテ)
  国際企画展部門:アーサー・ジャファ(1960- アメリカ合衆国)

銀獅子賞
  国際企画展部門:ハリス・エパミノンダ(1980- キプロス)

特別表彰
  国別参加部門:ベルギー館(ヨス・デ・グルイター&ハラルド・タイス)
  国際企画展部門:テレサ・マルゴレス(1963- , メキシコ)
          オトボング・ンカンガ(1974- , ナイジェリア)

栄誉金獅子賞
  ジミー・ダーラム(1940- アメリカ合衆国)


国際審査委員会

・ステファニー・ローゼンタール(ベルリン、グロピウス・バウ館長) ※委員長
・デフネ・アヤス(ロッテルダム、ウィッテ・デ・ウィース現代美術センター館長)
・クリスティアーナ・コルー(ローマ、近代美術館館長)
・キム・スンジュン(光州ビエンナーレ財団会長)
・ハムザ・ウォーカー(キュレーター, アメリカ合衆国)

・国際企画展部門の会場はジャルディーニとアルセナーレ スライド


2. 作品紹介

1. リトアニア館《太陽と海(マリーナ), (部分)
2. ベルギー館「世界残酷物語」, (部分)
3. アーサー・ジェイファ《大きなタイヤ I》, 《大きなタイヤ I, II, III》, 《私の小仏陀》
4. アーサー・ジェイファ《ホワイト・アルバム》, (部分)
5. ハリス・エパミノンダ《VOL. XXVII》, (部分)
6. ハリス・エパミノンダ《キメラ》, (部分)
7. テレサ・マルゴレス《尋ね人 2》, (部分)
8. テレサ・マルゴレス《シウダー・フアレスの壁》
9. オトボング・ンカンガ《並べられた水脈》, (部分)
・オトボング・ンカンガ ジャルディーニでの展示, (部分)
10. ジミー・ダーラム 展示風景, (部分)
11. ジミー・ダーラム《黒蛇紋石》


3. まとめ

 ・ヴェネツィア・ビエンナーレの賞制度

―国際企画展部門と国別参加部門が対象
―金獅子賞、銀獅子賞、特別表彰の3種類+栄誉金獅子賞
―審査委員会の構成は欧米+α
―芸術祭の祝祭性と先端性

 ・カッティング・エッジ

―テーマ設定, サブタイトル:数奇な時代
―経済、宗教、言語による分断状況/視覚芸術の多義性
―自然災害、コレクティヴ、ヘテロトピア
―キュレーション、および出品作品のテーマや表現