<第六講> ミュンヘン、アルテ・ピナコテークほか
◆芸術とビールの都―ミュンヘン
・南ドイツの中心都市(ベルリン、ハンブルクに次いで3番目)
・オクトーバーフェスト(9月半ばから10月上旬、毎年約600万人が参加)
・バイエルン州の州都(バイエルン王家ヴィッテルスバッハ家の美術蒐集)
・ミュンヘン新芸術家協会(1909-20)
・青騎士(ブラウエ・ライター 1911-14)
◆ヴィッテルスバッハ家
1180年 オットー1世がバイエルン公となる
1314年 ルートヴィヒ4世が神聖ローマ皇帝に選ばれる(在位1314-1347)
1527-28年頃、バイエルン大公ヴィルヘルム4世が、アルトドルファーらに王宮を飾る歴史画を注文。コレクションの基礎となる。
1789年 フランス革命。革命軍のドイツ侵攻
1800年 ナポレオン軍により72点の絵画がパリへ1826年 バイエルン王ルートヴィヒ1世(在位1825年-1848年)が美術館を構想
1836年 ピナコテーク開館
(参考作品) ヨーゼフ・カール・シュティーラー《バイエルン王ルートヴィヒ1世》、1826年頃、油彩・カンヴァス、244×171cm、ノイエ・ピナコテーク
41. メムリンク《聖母の7つの喜び》、1480年、油彩・板、81×189cm、アルテ・ピナコテーク
41. メムリンク《聖母の7つの喜び》(部分1):「受胎告知」/「キリストの誕生を予告する天使」/「嬰児虐殺」/「キリスト降誕」/「寄進者」
41. メムリンク《聖母の7つの喜び》(部分2):「東方三博士の礼拝」
41. メムリンク《聖母の7つの喜び》(部分3):「キリスト昇天」/「聖母被昇天」/「マリアの聖体拝領(?)」/「聖母の死」/「我に触れるな」/「キリストの復活」/「聖霊降臨」
42. パッハー《四教父の祭壇画》、「聖アウグスティヌスと聖グレゴリウス」、各212×100cm/「聖ヒエロニムスと聖アンブロシウス」、各216×91cm、1480-83年頃、アルテ・ピナコテーク
42. パッハー《四教父の祭壇画》(部分:聖アウグスティヌスと聖グレゴリウス)
◆美術史の方法論C 帰属(アトリビュート)の確認:
・作者の同定
・サイン、契約書、財産目録
・「〜工房」「〜派」「〜の追随者」など
・「伝〜」(過去に誰に帰属されてきたか)
43. デューラー《自画像(1500年)》、1500年、油彩・板、67×49cm、アルテ・ピナコテーク
43. デューラー《自画像(1500年)》(部分) モノグラムと書き込み
44. デューラー《四人の使徒》、1526年、油彩・板、アルテ・ピナコテーク
44. デューラー《四人の使徒》(部分:聖ヨハネと聖ペテロ)、215.5×76.0cm
44. デューラー《四人の使徒》(部分:聖パウロと聖マルコ)、214.5×76.0cm
45. アルトドルファー《アレクサンドロスの戦い》、1529年、油彩・板、158.4×120.3cm、アルテ・ピナコテーク
45. アルトドルファー《アレクサンドロスの戦い》(部分:敗走するダレイオス3世)
46. ルーベンス《最後の審判(大)》、1615-16年頃、油彩・カンヴァス、602×452cm、アルテ・ピナコテーク
46. ルーベンス《最後の審判(大)》(部分1)、「聖三位一体」「聖母マリア」「審判者キリスト」
46. ルーベンス《最後の審判(大)》(部分2)、「引き上げられる者と引きずり下ろされる者」
(参考図版)ルーベンス《最後の審判(小)》、1617-18年頃、油彩・板、182×120cm、アルテ・ピナコテーク
(参考図版)《最後の審判(大)》 と 《最後の審判(小)》の大きさ比較
47. ブーシェ《ポンパドゥール夫人の肖像》、1756年、油彩・カンヴァス、201×157cm、アルテ・ピナコテーク
48. ガブリエル・フォン・マックス《恍惚の乙女アンナ・カタリナ・エンメリック》、1885年、油彩・カンヴァス、84.5×67.6 cm、ノイエ・ピナコテーク
49. クノップフ《私は私自身に扉を閉ざす》、1891年、油彩・カンヴァス、72×140cm、ノイエ・ピナコテーク
50. フランツ・マルク《青い馬 I》、1911年、油彩・カンヴァス、112×84.5cm、レンバッハハウス美術館
(映画紹介)「ある画家の数奇な運命」(山口情報芸術センター 6月4日(金) 10:30〜)
◆まとめ
・芸術とビールの都ミュンヘン=バイエルン州の州都
・ヴィッテルスバッハ家/バイエルン王ルートヴィヒ1世
・アルテ・ピナコテーク
・ノイエ・ピナコテーク
・レンバッハハウス美術館
・美術用語:幼児虐殺、マギの礼拝、ノリ・メ・タンゲレ、ヒエロニムス、アトリビュート
・美術史の方法論:帰属(アトリビュート)の確認
―作者の同定
―過去に誰に帰属されてきたか
作家一覧
1.ハンス・メムリンク(1430/40頃-1494)Hans Memling
2.ミヒャエル・パッハー(1435-1498)Michael Pacher
3.アルブレヒト・デューラー(1471-1528)Albrecht Duerer
4.アルブレヒト・アルトドルファー(1480頃‐1538)Albrecht Altdorfer
5.ピーテル・パウル・ルーベンス(1577-1640)Pieter Paul Rubens
6.フランソワ・ブーシェ(1703-1770)François Boucher
7.ガブリエル・フォン・マックス(1840-1915)Gabriel von Max
8.フェルナン・クノップフ(1858-1921)Fernand Khnopff
9.ヴァシリィ・カンディンスキー(1866-1944)Wassily Kandinsky