生誕100年記念 福沢一郎展


1998年9月12日(土)〜10月20日(火) 見てきた日:10月11日(日)

富岡市立美術博物館・福沢一郎記念館

満足度:★★★


展示構成

第1章 はじまり〜混沌
初期作品からパリ滞在時代に生み出されたコラージュ絵画を中心に。

第2章 覚醒
終戦後の作品、中南米旅行中に得たイメージ、アンフォルメルを取り入れた作品、黒一色の作品群など。

第3章 変転
1965年のアメリカ滞在時代の作品、ギリシア神話に題材を求めた作品、1970年代に制作された地獄シリーズなど。

第4章 集束
神話や旧約聖書の物語に取材した1980年頃から没年までの作品。


 代表的な県内作家の一人であるので、県立近代美術館でもかなりの作品を所蔵しているし、この展覧会にも32点の作品を貸し出している。収蔵庫や常設展示室で見るよりも、全体的な福沢の画業の流れのなかで個々の作品を改めて見直すよい機会となり、得るところが多かった。富岡市美所蔵の《地獄門》(1959年)は、アンフォルメルの影響下にある作品だが、画面の一部に板材を組み合わせてあるため、フォンタナの絵画のように板材の隙間が平面の同一性に破調をもたらしている。日本でアンフォルメルと言えば、今井俊満や堂本尚郎、白髪一男の作品が思い浮かぶが、それらにも決してひけをとらない堂々とした迫力ある作品で、発見だった。


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