Journal of Neuroendocrinologyという難関雑誌にアクセプトされました。2025年夏に北海道中標津町にある北海道立酪農試験場で実施した、乳牛からの連続採血のデータ等をもとにした論文です。
次のリンク先は、オープンアクセスですので、自由にダウンロードできます。リンク
過去の同誌の論文のうち約1%の50本程度しかウシの論文はありません。
16年ぶり (2010年以来)のウシ論文です。
16年という長きにわたり途絶えていた領域で、同誌に採択されたことは極めて大きな学術的・歴史的価値を持ちます。

エタノールアミン型プラズマローゲンは黄体形成ホルモンのパルス状分泌を増加させ、ウシのGnRH神経細胞におけるGPR61の発現と関連する
繁殖に関わる黄体形成ホルモン(LH)は、一定の間隔で少しずつ分泌されます。この「パルス状分泌」には、脳の視床下部にあるGnRH神経細胞の働きが関わっています。
プラズマローゲンは、神経細胞の膜にも多く含まれる脂質です。私たちは、2種類のプラズマローゲンがLHの分泌に与える影響を、ホルスタイン種の若い雌牛15頭で調べました。
その結果、エタノールアミン型プラズマローゲンを投与すると、LHが分泌される回数が増えました。一方、コリン型プラズマローゲンでは、このような変化は確認されませんでした。
また、ウシのGnRH神経細胞にGPR61というタンパク質が存在することも確認しました。GPR61は、視索前野、弓状核、正中隆起を含むウシの視床下部でGnRH神経細胞に発現しており、GT1-7細胞およびLβT2細胞でも検出されました。
この研究は、プラズマローゲンの種類が繁殖を調節するホルモンの働きに関係する可能性を示しています。