保健管理センター

保健管理センターtopページ

あなたの食生活は大丈夫?目次

一人暮らしの食生活のポイント 目次

                       

栄養素の基礎知識

 

 栄養素とは人体にとって栄養となる主な成分のことで、糖質、脂質、ビタミン、ミネラル(無機質)、水、食物繊維などをさします。食物はいくつもの栄養素が混じり合って成り立っています。そして食品の分類は、その食品がどの栄養素を多く含むかという特性を示しています。

 各栄養素の体内での役割と食品の特性を知った上で、食事を作りましょう。

●糖質(パン、米、いも類、砂糖などの主成分)●

 糖質の供給源として代表的なものは、穀類、いも類、砂糖類などの主に主食と呼ばれているものです。糖質は私たちが生きていく上で重要なエネルギー源です。糖質の中でも砂糖や果物に含まれる果糖などは、非常にたやすく体内に吸収されてしまいます。これに比べて、穀類などに含まれるでんぷんは複合糖質と言われ、消化吸収に時間がかかります。

<糖質の特性>

(1)よぶんな糖質は体内で中性脂肪などに形を変えて貯蔵される。

(2)他の栄養素に比べて胃の中に停滞している時間が短い。

(3)体脂肪の合成を高めるインスリンの分泌を刺激しやすい。

 減量(ダイエット)のときに、ご飯(主食)を全く食べないあるいは極端に減らすという人が多いようですが、あまり糖質をへらしすぎると、血液中にケトン体という物質が増え、血液が酸性になりすぎ、体調を崩す危険があります。

  砂糖を多く使ったお菓子などを空腹時に少量食べるとインスリンの分泌を必要以上に促し、空腹感が刺激されて、食欲は押さえられるどころかかえって増すこともあります。

 空腹時には、でんぷんを含むご飯(おにぎり)などインスリンの分泌をあまり刺激しない食品を補給して、食べ過ぎを防ぎましょう。

糖質の摂取量(1日量)

糖質の適正な摂取量は、エネルギー所要量から蛋白質と脂質からのエネルギーを差し引いた量とします。

目安としては、エネルギー比で約60%となり、1日の最低必要量を150gとすると良いでしょう。減量中であっても1日に100g以下にしないことがポイントです。

★過剰摂取が続くとどうなるか?

 ◎摂取エネルギーの6割を占めるために、摂取エネルギーが過剰となり、余分なエネルギーが体脂肪へ合成され、肥満の原因になります。

 ◎特にショ糖はインスリン刺激性の糖質で、過剰にとり続けると肥満、高脂血症、脂肪肝の誘因になります。また、虫歯の生成を助長します。

★不足状態が続くとどうなるか?

 ◎脳・神経組織、赤血球などブドウ糖を主たるエネルギー源とする組織へのエネルギー供給不足が起こります。特に脳は、長時間の飢餓時を除くとブドウ糖を唯一のエネルギー源としているために、血糖値が40mg/dl以下になると意識障 害を起こすことさえあります。

  ◎糖質の摂取量が不足すると、血糖を維持するための糖新生(細胞内でアミノ酸などの糖でない化合物からブドウ糖を合成すること)が活発となり、蛋白質の分解 が促進されたり、合成が阻害され、蛋白質の利用効率が低下します。

  

●蛋白質(魚、肉、卵、大豆製品などの主成分)●

主な供給源は、動物性食品では肉、魚介類、卵など、植物性食品では大豆、豆製品などです。食事の中では主に主菜として登場します。

蛋白質はからだの組織である筋肉、内臓、骨、血液などをつくる主成分です。したがって、生命の維持と体内の代謝を円滑にするためにはなくてはならない栄養素です。

 蛋白質は20種類以上のアミノ酸からできており、このうち8種類を必須アミノ酸と呼びます。これらは体内ではつくられないので、食品から摂取しなければなりません。

 必須アミノ酸のバランスが良く、含有量の多いものを良質の蛋白質といい、一般には動物性蛋白質の方が植物性のものより良質であると言われています。しかし、動物性脂肪も同時に含有しているので、肉類などは、脂身の少ない部分を選びましょう。また、大豆製品とご飯の組み合わせで不足しがちなアミノ酸を補い合って動物性蛋白質と同じくらいの威力を発揮します。

蛋白質の摂取量(1日量)

1日に標準体重1kgあたり最低1〜1.3gの良質な蛋白質を確保しましょう。

例)標準体重が60kgの場合は1日最低60〜80g 必要

この量は、食品の重量ではなく、あくまでも食品中に含まれている蛋白質の量です。

★過剰摂取が続くとどうなるか?

  ◎蛋白質の過剰摂取が続くと、体内に入ったアミノ酸は代謝されて、脂肪に転換するか、体外へ排出されます。体外への排出量が多いとき、血液が酸性に傾くのを中和するために、血液中に大量のカルシウムが必要となります。そのため、カルシウム摂取が不十分であると骨からカルシウムが逸脱して供給され、結果的に骨粗鬆症の原因になります。

  ◎成人になり成長が止まった以降の蛋白質の過剰摂取による体内アミノ酸は、脂肪に転換して蓄えられるので、肥満の原因になります。

★不足状態が続くとどうなるか?

 ◎蛋白質の不足状態は、先進諸国ではあまり見られません。発展途上国では子供や乳児に深刻な栄養障害疾患をもたらしてます。

●脂質(バター、植物油、ベーコン、マヨネーズなどの主成分)●

 主な供給源はサラダ油、バター、マーガリン、肉の脂身、ショートニング、ゴマなどですが、油は主に食品の加工に使われるため、天ぷら、フライ、揚げ菓子、クッキーなど目につきにくいところにも多量の油が含まれています。

食物からとる脂肪は、三大栄養素の中で単位あたりもっとも大きなエネルギー供給源である上に、脂溶性ビタミンの溶媒にもなるので、脂溶性ビタミンの摂取に大切な役割を果たしています。また、味覚上おいしさを加味する働きもあります。

脂肪は摂取しなくても、アミノ酸や糖質から体内で脂肪に転換されるので、余分なエネルギーは脂肪(中性脂肪)のかたちで体内の貯蔵エネルギーとしてためられています。

★脂質は特に「質」に気をつけてとりましょう!

 動物性脂肪・・・バター、ラードなど。飽和脂肪酸を多く含み、多量に食べるといわゆる悪玉コレステロールが増え、心臓病や大腸がん、乳がんなどの発症率が高くなるといわれています。

 植物性脂肪・・・大豆、紅花、オリーブ油、魚油(本来なら、動物性脂肪に分類されますが構造的には植物性脂肪と類似)など。不飽和脂肪酸を多く含み、これらを摂取すると、善玉コレステロールがふえ、心臓病などの原因になる動脈硬化の予防につながるといわれています。最近ではリノール酸をとりすぎると、アレルギーや一部のがんを誘発するとの指摘もあり、わざわざとる必要もないようです。

動脈硬化を防ぐために、P/S比(動物性脂肪と植物性脂肪および魚油の比)を1.0〜2.0くらいにする必要があります。しかし、植物油あるいは魚油の方が体にいいからといって多くとりすぎると過酸化脂質を生成し、発癌の誘因になることがあるので、P/S比をむやみに上げることは最近は戒められています。

脂質の摂取量(1日量)

1日の総エネルギーの20〜25%(1日50〜70g)が適正量です。ただし、中年期以降、動脈硬化が懸念される場合には20%いかにおさえること。

★過剰摂取が続くとどうなるか?

 ◎エネルギー過剰のために肥満になり、肥満に伴う生活習慣病を合併しやすくなります。

 ◎悪玉コレステロールの摂取が多い場合には、動脈硬化の誘因になりますが、善 玉コレステロールと呼ばれている不飽和脂肪酸(植物油、魚油)のとりすぎでも、悪性新生物の誘因になる可能性があります。

★不足状態が続くとどうなるか?

 ◎脂肪自体は体内で作ることができるので、脂肪不足の状態は、よほどの栄養不足の状態でなければ生じませんが、脂肪を経口的に摂取しないと、脂溶性ビタミンの不足のため、骨粗鬆症、皮膚の乾燥、夜盲症、出血性素因の誘因になることがあります。

●ビタミン●

ビタミンは保全素といい、これ自体はエネルギー源とはなりませんが、熱量素を燃料として効率よく使うために欠かせない栄養素です。

ビタミンの働きは多岐多様ですが、一般に水溶性ビタミンの多くは各主代謝の補酵素としての役目をし、脂溶性ビタミンはそれぞれ独自の生理作用を持ちます。(下表参照)

 

名 称

働  き

水溶性ビタミン

ビタミンB1

エネルギー代謝や糖質代謝に関与する補酵素

ビタミンB2

エネルギー代謝、アミノ酸代謝、脂質代謝などの酸化還元反応に関与する補酵素

ビタミンB6

アミノ酸代謝に関与する補酵素

ビタミンB12

抗悪性貧血因子、蛋白質や核酸の合成に関与する補酵素

ナイアシン

糖代謝や脂質代謝の酸化還元反応に関与する補酵素

パントテン酸

糖代謝や脂質代謝に関与する補酵素

ビタミンC

アミノ酸代謝や蛋白質代謝に関与する補酵素

脂溶性ビタミン

ビタミンA

視覚作用、皮膚や粘膜の正常化

ビタミンD

カルシウムの腸管からの吸収促進、骨形成の促進、腎尿細管での再吸収促進

ビタミンE

抗酸化作用、生殖の正常化、膜の安定化

ビタミンK

血液凝固因子の合成

★過剰摂取が続くとどうなるか?

 ◎水溶性ビタミンについては過剰摂取しても尿中に排泄されるために、過剰症は見られません。

 ◎脂溶性ビタミンは体脂肪組織内に蓄積するために過剰症が出現します。

ビタミンA:急性では脳圧亢進による頭痛、嘔吐。慢性では食欲不振、低体重、脱毛、口角亀裂、肝肥大、カロチンによる柑皮症

ビタミンD:全身倦怠、嘔吐、多飲多尿、食欲不振、腎臓のカルシウム沈着

ビタミンE:起こらない

ビタミンK:新生児で溶血性貧血や嘔吐

★欠乏状態が続くとどうなるか?

 ◎各ビタミンにはそれぞれ種々の欠乏症や欠乏症状が出現します。また、臨床的な徴候は見られないが、体内の貯蔵量が減少し生化学的に変化が見られる潜在性の欠乏状態が存在することがわかっています。このような状態は不定愁訴の要因となったり、疾病に移りやすい半健康・半病気の状態であるともいえます。

★ビタミン剤について

ビタミン剤はあくまでも補助的なものです。ダイエット中でも極端に食事制限しない限り、食品からとるビタミンで所要量は十分に満たせます。ストレス過剰やかぜの初期、食欲のないときなど状況によっては服用してもかまいませんが、脂溶性ビタミンなどはとりすぎると過剰症を起こす危険がありますので専門家に相談してから服用しましょう。  

 

 

山口大学保健管理センター

〒753-8511 山口市大字吉田1677-1 TEL 083-933-5160

このページは山口大学(保健管理センター)が作成し管理運営しています。 このページへのリンクは自由です。

このページに関するお問い合わせはこちらまで。メール相談上の注意(必ずお読み下さい)

(C)2004 YAMAGUCHI UNIVERSITY. All rights reserved.