山口大学医学部保健学科についてご案内します。
令和4年8月1日作成
現在,我が国の大学が国際社会から問われている最も重要な課題の一つは,世界水準の教育・研究活動を行うという点です。この点に関して,本学では,アジア-太平洋地域の大学間提携における学部・院生の交流を通した多文化の理解や,リーダーシップの育成に努めております。また,教員においても,国際共同研究や学術集会,さらには,本学が事務局となって看護の国際誌を発刊するなど,保健学の教育機関では全国的にも先駆的な取り組みを行っています。これらさまざまなプログラムによって,世界水準の教育・研究機関を目指して努力を重ねており,医療の国際化に対応できる医療人の育成を目指しています。
英語を母語とする教員と撮影 本学では,保健学科設置以来,看護・医療技術の教育・研究を国際化する必要性を強調し,英語を母語とする本学の教員により,「医療英語」,「基礎医療英会話」,「国際看護学」などの科目を実施しております。また,教員も,専門教育において海外の先端医療事情の紹介や英語による授業も行っています。このように,学生の皆さんに医療の知識を英語で表現することにより,論理的かつ正確に理解できることのすばらしさを十分知ってもらうため,さまざまな工夫をしています。
その他,本学の教員が,多くの海外での大学や研究機関を訪問し,大学間における共同研究で交流したり,また海外から訪れる研究者による特別講義など,あらゆる機会を通して英語に触れられるようさまざまな工夫をしています。したがって,英語を母語とする教員とともに学べる環境の中で,卒業するまでに,学生の皆さんの英語力と国際感覚(多文化の理解なども)が著しく向上するものと確信しています。
本学では,看護・健康科学領域のリーダーを育成する目的で,チェンマイ大学・マヒドール大学(タイ)および山口大学とで,APAHL(Asia-Pacific Alliance of Health Leaders,通称:エイパル)を組織し,緊密な連携を行っております。2005年の発足以降,毎年各校が輪番で学術・交流フォーラムを開催しており,毎年本学科から学生10名と教員数名が参加して交流を行っております。2006年,2009年及び2014年には,本学が開催校となりました。また,平成24年には,交流校における短期研修や共同研究も始まっています。なお,院生の留学も年次的に進み,そのような海外での研究活動により自立した高度な専門職人として大きく成長しております。一方,海外からの留学生(学部,大学院)も常に在籍しており,英語環境の整備が少しずつ進みつつあります。
2014年APAHL研修会(山口大学)
NHS表紙 Nursing and Health Sciencesは,わが国初の看護・健康科学領域の国際誌です。本学に編集事務局を置き,英語を母語とする専門教員が編集長を務め,国際的な編集陣により編集・出版されています。1999年に第1巻が発刊され(年4回),最近では国内外で高い評価を受け,国際語としての英語を介した看護・健康科学領域の研究発展に寄与しています。世界のさまざまな国から投稿があり,学術雑誌の文献引用影響率を示すインパクトファクターは2015年7月現在で1.042となっています。2015年からはオンライン・ジャーナルになり,また,Index MedicusとMEDLINE(医療系学術雑誌データベース)に収録されるようになり,全世界の研究者が利用しています。皆さんも是非,インターネットでアクセスしてみてください。
http://wileyonlinelibrary.com/journal/NHS
Nursing & Health Sciences (NHS) is a premier international journal focusing on the exchange of knowledge in nursing and health sciences, particularly between the East and West. It has an international authorship, readership and Editorial Board. The journal was the first nursing and health sciences journal to be fully published in English in Japan. It began in 1999 and is owned by the Society for Nursing and Health Sciences at Yamaguchi University. By encouraging Eastern and Western scholars to share their knowledge and experiences, Nursing and Health Sciences provides readers with a deeper understanding of health care around the world, and the opportunity to enrich their own practices to improve global health.
The Editor in Chief and editorial office for the journal are located in our school. The Editor in Chief is Professor of International Nursing at the School and she is supported by a number of international editors. The journal enjoys an excellent reputation internationally: currently its impact factor is 1.042.
It can be accessed online: http://wileyonlinelibrary.com/journal/NHS
Editorial Office: Faculty of Health Sciences ,Yamaguchi University Graduate School of Medicine Ube 755-8505, JAPAN国際的にアカデミックな取り組み、いわゆる国際共同研究を積極的に進めています。国際交流校の研究者との共同研究、さらに本校に研究者を受け入れて共同研究をしています。また、海外からの研究者を招聘し、講演会やシンポジウムを開催しています。学生の皆さんは、教員と共に国際的視点から最新の情報を得たり、ディスカッションしたりする機会があり、恵まれた環境にあるといえましょう。
STTI Conference STTIとは、1922年に米国インディアナポリスで創設された看護国際名誉学会(Honor Society of Nursing, Sigma Theta Tau International:STTI)であり、看護領域ではICN(国際看護師協会)に次いで2番目に大きな組織です。世界の85か国以上に渡って約500の支部があり,13万人以上の看護師が活動しています。看護の科学的基礎を高め,世界中の人々の健康を促進することを使命とし,臨床・教育・研究においてリーダーシップを発揮できる人材育成を行っています。本学は,平成17年に本邦初の支部として認可され,平成18年に,「Tau Nu Chapter」として設立されました。国内外からの専門家を招いて,アカデミックミーティング(教育講演会)を年間2~3回開催しております。入会にあたって、ナース・リーダーとして活躍していることが求められますが、本校の学生の場合、優秀な成績を修めた学生は卒業時に入会することができます。現在,約120名の会員で構成されています。
Honor Society of Nursing, Sigma Theta Tau International (STTI) was founded in 1922 at Indianapolis, USA. The first chapter in Japan was established in the Nursing department of the Faculty of Health Sciences, Yamaguchi University. Membership is offered only to undergraduate and graduate nursing students who demonstrate excellence in scholarship and to nurse leaders exhibiting exceptional achievements in nursing. The mission of the Honor Society of Nursing, Sigma Theta Tau International is to support the learning, knowledge and professional development of nurses committed to making a difference in health worldwide. Our chapter comprises approximately 120 members.