講座・教員紹介

山口大学医学部医学科の教育研究講座をご紹介します。

公衆衛生学・予防医学(旧 公衆衛生学)

Public Health and Preventive Medicine

令和4年8月1日作成

顔写真:田邉 剛 教授

教授名
田邉 剛
講座のメンバー
田邉 剛,奥田 昌之,髙橋 秀和,山口 奈津,ホセイン マハブブ,長谷 亮佑
医学科担当科目
環境・予防医学,衛生統計・保健医療学,生活習慣病・疫学・地域医療,社会医学基本実習,社会医学課題実習,自己開発コース,Open Science Club,SCEA/AMRA
居室
基礎研究棟5階
TEL
0836-22-2231
FAX
0836-22-2323

講座の紹介

 公衆衛生は、「組織された地域社会の努力を通して、疾病を予防し、寿命を伸展し、身体、精神機能の増進をはかる研究分野である」と定義され、非常に多岐にわたるものです。
 近年、日本では高齢化が急速に進み、疾病構造も大きく変化しています。このため、われわれは公衆衛生学の教育・研究・社会活動における重要な課題の一つは、生活習慣病対策と考え、疫学的解析と実験的解析を組み合わせて研究を進めています。
 現在われわれは二つのテーマを進めています。そのひとつが山口県内のコホートにおける健康調査増進活動です。これまで山口市阿知須町、萩市木間地区、柳井市新庄地区、岩国市錦地域などで地区行政、関係機関、住民組織と連携したフィールドワークを展開し、住民・世帯調査や事業評価を行ってきました。特に阿知須町では詳細なデータの裏付けを得るため、島津製作所、花王、協同乳業と行政からなる産学官連携体制でマルチオミックス解析を行います。全ゲノム、腸内細菌、メタボローム、エクソソーム等の解析を行い、健康寿命の延伸と医療費削減のために統合データに基づく早期診断予防法開発を進めます。
 もうひとつのテーマは、生活習慣病発症の分子機序の解析です。近年、自然免疫系の異常による炎症が、動脈硬化や耐糖能異常などの生活習慣病をもたらすことが明らかになっています。現在、リスク判定に有用なマーカーを同定するため、自然免疫因子の遺伝子多型やエピジェネティクスと臨床経過の関連を解析しています。また、自然免疫系の活性制御システムの構築を進めています。従来と異なる視点からの高リスク群の同定と発症予防、治療応答性や予後の予測を実現させたいと考えています。

【専門分野】
公衆衛生学、予防医学、分子疫学

【主な研究内容】
・生活習慣病の早期診断法の開発
・自然免疫系の異常と生活習慣病の発症
・在宅介護問題
・高齢者の医療

 

阿知須コホート

健康医療細菌叢研究センター

生活習慣病発症への自然免疫系の関与

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