講座・教員紹介

山口大学医学部医学科の教育研究講座をご紹介します。

法医学(旧 法医学)

Legal Medicine

令和3年5月1日作成

顔写真:

教授名
髙瀬 泉
講座のメンバー
劉 金耀,姫宮 彩子,中川 碧
医学科担当科目
医学入門1・2,生命倫理学,医学史,医学英語1・2,医療安全学,医療安全テュートリアル,臨床倫理テュートリアル,行動医学テュートリアル,法医学,生命医科学テュートリアル,自己開発コース,修学論文テュートリアル,Open Science Club,SCEA/AMRA
居室
医学部本館5階
TEL
0836-22-2234
FAX
0836-22-2232

講座の紹介

 法医学では、年間120-180件の遺体の検案・解剖(法医鑑定学)において自然死から内因(疾病等)・事故・事件(他殺等)・自然災害等までさまざまな死に向き合っています。さらに、生体の鑑定(臨床法医学)において児童虐待や性犯罪による損傷および事件・事故の際のアルコールの薬物動態の検証を行って、現在、社会的に注目の集まっている問題にも貢献しています。遺体鑑定では組織学的検査(法医病理学)や薬毒物分析(法医中毒学)等もふまえ、また、生体鑑定では直接の診察や写真・CT・MRI等の画像を基に、医学的根拠に基づいた中立公正な鑑定および再発防止策等の提言に努めています。
 教育では、臨床に役立つよう治療や予防策まで含めた講義を行い、裁判に出廷する法医学者の立場から医療行為に係る判例等を教材に医療安全について考える機会も提供しています。
 研究では、ストレスの指標としての胸腺の退縮に着目してその機序を解明しつつ児童虐待の早期発見へ、また、飲酒後の吸収相を中心とする呼気中アルコール動態モデルを検討してアルコール鑑定へ寄与することを目指しています。
 令和2年4月1日より死因究明等推進基本法が施行され、「死因究明等に係る医師、歯科医師等の人材の育成、資質の向上、適切な処遇の確保」「死因究明等に関する教育及び研究の拠点の整備」等が基本的施策として挙げられていますが、全国の法医学教室の4割で鑑定人が1人という現状です。当講座では、現在、2人の鑑定人がおり、令和3年4月から将来鑑定人となる大学院生が入局しています。
 暴力や犯罪がなくなることを究極の目標に微力ながら貢献を続けたいと思います。

【専門分野】
・法医鑑定学
・法医病理学
・法医中毒学
・臨床法医学

【主要な研究テーマ】
・ストレスの指標としての胸腺の退縮に着目した児童虐待の早期発見への応用
・飲酒後の吸収相を中心とする呼気中アルコール動態モデルのアルコール鑑定への応用
・AI等の最新技術の法医学鑑定への適用による(法)医学的根拠の追求

【応用分野】
・主に山口県内の異状死体の死因究明、法医学的見識の提供
・西日本を中心に全国の児童虐待、性犯罪被害者の生体の損傷鑑定・裁判出廷
・全国の飲酒運転事案等生体のアルコールの薬物動態に関する鑑定
・医療・警察・法曹等への研修の提供と地域住民への法医学的知識の普及


 

法医解剖風景 性暴力救援センター(大阪)

アルコールの体内動態

アルコール性臓器障害

一覧へ戻る