山口大学医学部医学科の教育研究講座をご紹介します。
令和4年8月1日作成
当講座は放射線診断学と核医学からなり,幅広い放射線診療領域を基盤に画像診断を中心とした組織です。高度先進医療の現代においては,画像診断による正しい診断なくしては適切な治療を行うことはできません。単純X線,超音波,CT,MRI,血管造影,核医学検査などを用いて全身諸臓器疾患の画像診断を行っており,日常診療の中心的な役割を果たしています。また,放射線診断の技術を治療に応用したInterventional Radiology (IVR)は,カテーテル等を用いて低侵襲的に体内から治療するもので,切らずに治す治療法として脚光を浴びており,技術的にも急速に発展している将来性のある分野です。核医学では,ラジオアイソトープ(Radioisotope: RI)を用いて臓器特異的な機能的情報を引き出し,診断や治療に貢献しています。
当講座の研究テーマは全身諸臓器の疾患を対象としており,形態学的および機能的な診断情報の質的な向上を,さらに低侵襲的な治療成績の向上を目指しています。
主な研究テーマ
1) 選択的IRパルス併用cine-dynamic MRCPによる膵胆道機能・動態の評価
2) Multiparametric MRIによる膵胆道機能・動態評価と胆膵関連疾患診断への臨床応用
3) 肝細胞癌のCT診断における人工知能の活用に関する研究
4) 肺疾患の放射線画像診断における人工知能の活用に関する研究
5) 頭頚部癌頸部リンパ節転移画像診断における人工知能の活用に関する研究
6) Dual source CT を用いた冠動脈の CT angiography の臨床的有用性の検討
7) カテーテルを用いたinterventional radiologyの臨床的有用性の検討
また,教育目標は,基本的な画像検査の仕組みを理解すること,臨床実習において放射線診療を体験しながら,疾患についての理解を深め,諸臓器の画像診断の技術を修得することです。