山口大学医学部医学科の教育研究講座をご紹介します。
令和4年8月1日作成
医学教育学は,医学・医療と社会との連関を重視して医学教育を包括的に捉え直し,その実践と改良に努めることを目的としています。現在,医学・医療の著しい高度化と社会の質的な変化により,医学・医療はさらに大きな改革を迫られています。そのため,実際に医療に従事する医療人や医学の発展を支える研究者の養成過程もまた変化を迫られるのは当然のことであり,医学教育学は,こうした情勢によって生み出された諸課題に対応しえようとするものです。具体的には,医学・医療の専門的知識と技能の習得に有効な教育方法を開発するのはもちろんのこと,社会に対する幅広い視野と豊かな人間性を有する医療人及び医学研究者を育成できる医学教育を遂行するための理念の設定,具体的なカリキュラムや教材・教授法における改善すべき点の調査,その改善法の検討を行っています。
現在、全国で医学教育の質を国際的見地からも保証し、さらにその充実と向上を図るため、「医学教育分野別評価」が行われており、本学も受審し認証されました。今後も引き続き、より一層充実した医学教育を展開していくことができるよう、教育内容の改善に鋭意取り組んでいきたいと思います。
以上のことを念頭に,医学教育センターは,本医学部全体で行おうとしている医学教育の円滑な実施と改革に貢献することを使命とし,医学教育のためのネットワーク兼シンクタンクとしての機能を担っています。具体的には,卒前教育を対象とし,アーリー・エクスポージャー,基礎教育,専門教育を経て卒業にいたるまでの抜本的なカリキュラム改革(コース・ユニット制,電子シラバス)および教育方法改革(テュートリアル制,アウトカム基盤型教育)を成功させるために尽力しています。さらに,医学教育を継続的に改善していくために,日本国内の各医学部,さらには海外の医療者養成機関のカリキュラムとの比較検討を行い,より有効な教材や教育法の開発も目指しています。