このたび、山口大学「新呼び水プロジェクト(研究拠点形成型)」に採択されている難治性疾患トランスレーション研究拠点・疾患ゲノムユニットの中井彰ユニットチーフ(医学系研究科・教授)らは、長年にわたる熱ショック応答の医学・生命科学研究をまとめて英文書籍「Heat Shock Factor」(シュプリンガー・ジャパン)を出版しました。
山口大学では、平成22年度から、組織的プロジェクト研究や個人研究に対し、世界水準への研究の活性化を目指し、「呼び水プロジェクト」として重点的な支援を行ってきました。平成26年度からはこの取組を発展させ、「新呼び水プロジェクト(研究拠点形成型)」として支援を行っています。
○難治性疾患トランスレーション研究拠点について
(先進科学・イノペーション研究センターホームページ)
http://rcasi.kenkyu.yamaguchi-u.ac.jp/
(書籍紹介)
熱ショック応答の発見から53年、それを制御する転写因子HSFの単離から27年経過しました。その間に、生命の基本的な仕組みで、タンパク質ホメオスタシスを統御する熱ショック応答とHSFの研究が精力的に進められてきました。熱ショック応答とHSFは、その分子機構の解明だけでなく、老化、老化と関連する神経変性疾患、がんやその他様々な疾患群と密接な関連があり、それらの治療ターゲットとして注目されています。本書籍(eBook + Hard Cover)は、熱ショック応答とHSFに関して、類のない、初めてのまとまった教科書です。生命科学・医学を学ぶ学部学生や大学院生のために、これまでに確立された基本的な概念を中心に解説しています。最先端研究者には、将来の研究方向を考える基盤となることを期待しています。
Nakai A ed. 2016. Heat Shock Factor. Springer, Japan.
シュプリンガー・ジャパンホームページ