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質量分析装置による新しい同定法の話題 
 分子や原子レベルで質量をはかる質量分析装置を使用して、細菌および真菌を同定する装置が実用化されています。質量分析は、有機化合物をイオン化(電荷を帯びた分子や原子)することで発生したさまざまなイオンの質量をスペクトル分析する装置です。
 細菌や真菌の内部には遺伝情報に関係した固有のリボゾーム蛋白が多量に存在するため、種レベルでの同定が可能となります。臨床分離980株の種レベルでの同定比較試験では、従来法の83.1%に対して質量分析法では92.2%を正確に同定し、属レベルの誤同定は従来法の1.5%に対して0.1%と優れた成績が報告されています
(J. Clin. Microbiol. 48:900-907,2010)。
操作法は簡便で、培地に発育した1コロニーを試薬と混ぜ合わせて機器にセットした後、数分後には同定結果が得られます。このため結果報告は現在よりも半日から1日早くなり、治療薬の選択を迅速化します。さらに簡便な操作に加えてランニングコストも安いため、検査の効率化と検査費用の削減に貢献します。
 検査精度や運用面で十分な性能がある機器ですが、残念なことに初期投資費用が高額であるのが現在の難点です。
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