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新しい抗MRSA薬(ダプトマイシン)
 ダプトマイシン(DAP)は、グラム陽性菌の細胞膜にカルシウムイオン(Ca2+)の濃度依存的に結合することで、膜電位の速やかな変化を生じ、細胞外に向かってカリウムイオンの流出を起こし、細胞の破壊なく細胞死に導く新しい抗菌剤です。
①適応症:敗血症、感染性心内膜炎、深在性皮膚感染症、外傷・熱傷及び手術創の二次感染、びらん・潰瘍の二次感染ですが、肺炎には使用できません。これは、DAPが肺サーファクタント(界面活性物質)に結合して不活化されるためです。同様に左心系の心内膜炎もこの影響を受けるため、右心系心内膜炎のみの使用となります。
②MRSAに対する感受性: MICは0.25~1.0μg/mlと比較的狭い範囲に分布します。
CLSIの判定基準では≦1.0μg/mlが感受性です。
③薬剤感受性試験:測定培地(Mueller Hinton培地)中のCa2+濃度が低いと耐性側に、
高いと感受性側にシフトします。このため測定培地にはCa2+ 50µg/mlを添加し液体希釈法で測定します(Antimicrob Agents Chemother 45 : 1919-1922, 2001)。
ディスク法および寒天平板希釈法は推奨されていません。
E-testはディスクにあらかじめCa2+が添加されているため、精度管理を行うことで測定が可能です。
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