クオンティフェロンは、Tリンパ球の免疫応答で産生されるINF-γを定量して結核感染の有無を判別する検査法であり、ツ反よりも高い特異性があるため現在広く普及しています。
本法は最近改良が加えられており、第3の抗原と言われるTB7.7が、従来法で使用される2つの抗原(ESAT-6、CFP-10)と共に新たに加わりました。
TB7.7はRD*11にコードされる結核菌特異抗原であり、先の2つの抗原(RD1にコード)と同様に高い特異性が報告されています (J.Infect.Dis.189:812-819,2004)。
*RD (regions of difference:ヒト型結核菌に存在しBCGに欠落する遺伝子領域)
新しいクオンティフェロンでは、これら3つの抗原を予め採血管に加えておくことで、従来法よりも早い抗原刺激を可能にしています。 しかし反面、血液採取時の採血管内容物の血管
内逆流には注意する必要があり、圧力変化防止のために採血管は室温に戻して使用します。また採血管は、従来法の1本から、陰性、陽性コントロール試験管を加えた3本に変更されたため、連続採血時の内容物のクロスを防止するために採血順を間違えないことも重要であり、加えて3本の採血量に差がでない一定量の採取が必要となります。
新しいクオンティフェロンと従来法との比較試験において、活動性結核患者95名を対象とした陽性率は84.2%から93.7%に改善されたことが添付文書に示されており、これらの注意点を遵守することで、より感度が増した検査が可能となっています。
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