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カルバペネマーゼ産生菌検出法の話題
 ニューデリー メタロ-β-ラクタマーゼ (NDM-1) 産生菌の、インド大陸からヨーロッパ、
アメリカ、オーストラリア、そして日本への広がりが懸念されている中で、カルバペネム耐性グラム陰性桿菌の増加は、治療上の大きな問題となっています。
 このカルバペネマーゼ産生菌のスクリーニング検査法として、全ての種類の
カルバペネマーゼ検出を目的とした「改良Hodgeテスト」があります。この方法は、
カルバペネム感受性菌(標準菌株)を利用して、目的とする菌のカルバペネマーゼ産生の有無を間接的に証明します。具体的には、感受性菌により生じたカルバペネム薬ディスク
周辺の阻止帯内に目的菌を重ねて発育させ、この目的菌がカルバペネマーゼを産生すると、周辺のカルバペネムが分解されて、それまで発育が抑制されていた感受性菌が目的菌
周辺に発育してくるのを確認して陽性と判断します。
 さて近年、質量分析装置による細菌の同定法が話題となっていますが(2010年10号で
紹介)、最近この装置を用いたカルバペネマーゼ産生菌の検出法が報告されています。
培養した目的菌をカルバペネム薬と混ぜてインキュベーション後に、薬剤分解の有無を
スペクトルのピークの欠如で確認します。VIM、IMP、KPC、NDM-1産生株を用いた場合の
感度は96.67%、特異性が97.87%とされています
(J. Clin. Microbiol. 49: 3222-3227, 2011)。
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