β-ラクタム系、キノロン系と共に重要な抗菌薬に位置づけられるアミノ配糖体ですが、近年国内外において殆どのアミノ配糖体を高度耐性化する16S
rRNAメチラーゼ産生菌が報告されています。一般的にアミノ配糖体の耐性機序は、細菌が産生する酵素によりアミノ配糖体のアミノ基や水酸基が修飾不活化されて標的部位との結合が阻止されます。これに対して16S
rRNAメチラーゼ産生菌は、アミノ配糖体標的部位である細菌自らの16S rRNAをメチル化することで、殆ど全てのアミノ配糖体との結合を阻止し、さらにMIC>1024μg/mlの高い耐性を獲得します。グラム陰性桿菌のアミノ配糖体耐性に関する2004年の国内調査では、0.1%程度に耐性が確認されており、病院内感染を疑う例も報告されています(化学療法の領域Vol.21,No.9,2005)。
本菌のスクリーニング検査では、GM(ISP)耐性+AMK耐性+ABK耐性(ABK含有KBディスクの周囲に阻止円の形成がない)のグラム陰性桿菌(一部のブドウ糖非発酵菌を除く)を可能性がある菌として疑います。確定検査では16S
rRNAメチラーゼ遺伝子(rmtA, rmtB, armAなど)をPCR法で検出します。
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