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マイコプラズマ肺炎の検査法
 本年のマイコプラズマ肺炎の全国発生数は、過去10年間で最も多く、定点当たりの
累積報告数が過去最多の2010年(22.50)を、第43週の時点で(25.03)と上回っています(IDWR 2011年13巻43号)。 その一方で、治療薬であるマクロライド系の耐性菌が急増し
( 過去歴 )、分離率が75%を示す施設の報告もあり ( 感染症誌 2011 ; 85 : 652-657 )、
治療の遷延化も問題となっています。
 さて、肺炎マイコプラズマの検出法ですが、「分離培養法」は結果を得るまでの時間が長く、煩雑な手技を要すために一般の検査室ではほとんど行われていません。このため「寒冷凝集反応」、「酵素免疫測定(ELISA)」、「粒子凝集反応」、「補体結合反応」などの血清学的検査法が選択されます。中でも、血清・血漿中の抗マイコプラズマ抗体 (IgM) を15分で検出する「イムノカードマイコプラズマ抗体」が簡易迅速検査法として普及しています。
しかし本キットを使用する際は、感染初期に特異抗体が上昇せず陰性となる場合や感染後長期にわたり陽性が持続する場合があり、結果の解釈には注意が必要です
( 感染症誌 2007 ; 81 : 149-154 ) 。
 遺伝子検査法は、検体中の肺炎マイコプラズマDNAを検出する「LAMP法(等温核酸増幅法)」が本年10月より保険適用となりました。DNA抽出後、専用試薬と混ぜてインキュベートするだけの簡便な操作法で、増幅から検出まで1時間の迅速法です。
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