2009年1月に、福岡大学病院においてAcinetobacter baumannii による院内感染が報じられました。約3ケ月の間に23名の患者から分離された本菌は、ミノサイクリンとイセパマイシン(アミノ配糖系)だけが感受性で他の薬剤は耐性を示す多剤耐性株でした。
本来Acinetobacter属は環境菌ですが、易感染患者に肺炎や敗血症を起こす病原菌でもあります。
本菌はクラスC AmpC型β-ラクタマーゼ産生、efflux systemなどの耐性因子を持ちますが、近年ではカルバペネム分解酵素のメタロβ-ラクタマーゼあるいはOXA型β-ラクタマーゼを産生する株の増加と、多剤耐性化が世界的に問題となっています。
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