TAZ/PIPC(ゾシン)は、β-ラクタマーゼ阻害剤のタゾバクタムと広域スペクトラムのペニシリンであるピペラシリンとの合剤です。本剤は、近年国内において増加傾向にあるESBL産生菌に対して強い抗菌活性を有し、第3世代セファロスポリン系の使用制限と本剤の積極的な使用が、ESBL産生菌の有意な減少をもたらすことが数多く報告されています(J
Antimicrob Chemother 2007; 60: 629–37など)。
2008年10月に新たに上市されたゾシンは、主薬であるPIPCの配合量が従来のTAZ:PIPC = 1:4 から 1:8 と多くなり、さらにPK-PD理論で用法・用量が設定され、1日最大18gの高用量投与が可能となっています。このため有効率はカルバペネムに匹敵し、カルバペネム使用量の削減につながることも期待されています。
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