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ESBL産生大腸菌の増加の背景
 近年、国内におけるESBL産生菌の検出率の増加は深刻で、なかでも大腸菌に占める割合は年々1%程度の右肩上がりの状況が現在も継続しています。
 この背景について、Kojimaらは、1999〜2002年に国内の牛、豚、肉用鶏、卵用鶏から2,747株の大腸菌を収集し、ESBL:6株、AmpC:8株を肉用鶏のみから検出し、食肉の汚染と伝播との関連性を指摘しています(Antimicrob Agents Chemother 2005; 49: 3533- 3537)。
 またSuzukiらは、2002,3年に国内で収集されたESBL産生大腸菌130株のうち、血清型O25 (29株:22%)とO86 (24株:18%) が特に多く、遺伝子タイプからも同一クローンによる伝播を示唆しています(J.Antimicrob.Chemother 2009; 63:72-79)。この血清型O25にはESBLを発現し世界的に伝播しているO25:H4-ST131クローンがあります。
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