山口大学医学部附属病院 検査部 トップページへ e-mail
検査部について
検査部のご案内
検査のご説明
スタッフ
研究活動
最新のトピックス
研修生・大学院生募集
トップページ
Acinetobacter 属の同定
 
 現在、Acinetobacter 属はMRSAと同様に、病院内感染の重要な原因菌に位置づけられています。このAcinetobacter 属にはgenomic speciesが31種あり、そのうち17種が命名されています。 例えばgenomic species (gsp)1はAcinetobacter calcoaceticus と一致し、
gsp 2はA. baumannii、gsp 4はA. haemolyticus、gsp 5はA. juniiと一致します。
このうちA. baumannii、 Acinetobacter gsp 3、およびAcinetobacter gsp 13TU の3菌種は、主に臨床材料から検出される重要な菌種であり、A. calcoaceticus は土壌や水から分離される環境由来菌でヒトから検出されることはまれとされています。
 多くの検査室ではAcinetobacter 属の同定にAPI 20NEキット、あるいは Vitek 2、Phoenix、MicroScan WalkAway システムなどを使用しますが、いずれもAcinetobacter 属を正確に同定することができず、遺伝子解析が必要となります。このため論文などでは、
A. calcoaceticus - A. baumannii complex、あるいはA. baumannii complexと表現され記述されています(Clin. Microbiol. Rev, 2008, 538?582)。
 臨床的に重要な3菌種ですが、A. baumannii は、より薬剤耐性傾向が強く、肺炎を起こし死亡率も高いことが報告されており、この3菌種を分類することの意義は高いと思われます(Clin. Infect. Dis, 2011, 352?360)。
 

最新のトピックスへ戻る