山口大学医学部附属病院 検査部 トップページへ e-mail
検査部について
検査部のご案内
検査のご説明
スタッフ
研究活動
最新のトピックス
研修生・大学院生募集
トップページ
Mycobacterium haemophilum 感染症 (新興感染症) 
 Mycobacterium haemophilumは非光発色菌 (Runyon Ⅲ群) に属し、1978年にホジキン病患者の皮下病変部より初めて分離された非結核性抗酸菌です。本菌は、通常の培養温度 (37℃) では発育せず25~30℃が至適温度であり、さらに発育にヘモグロビン、ヘミンあるいはクエン酸鉄アンモニウムを要求するため、通常の培養法で見逃されている可能性があります。
 近年世界的に増加傾向にあり、これまでに免疫不全患者(AIDS、腎移植など)における有痛性の皮膚病変、多発性皮膚結節、肺炎、菌血症、敗血症性関節炎、骨髄炎、あるいは免疫正常な小児のリンパ腺炎などの報告があり、新興感染症の一つとされています。国内での検出報告は、これまでに原因不明の細胞性免疫低下の患者、あるいはAIDS患者の皮膚潰瘍からの2例があり、免疫不全患者が増加しつつあるわが国においても見逃してはならない感染症の一つと思われます(感染症誌 2004 ; 78 : 389-397)。
 本菌の培養についてManual of Clinical Microiology 8th edition (ASM) では、日常使用しているチョコレート寒天培地の使用が有効かもしれないと記載されています。
最新のトピックスへ戻る