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深在性トリコスポロン症 (ブレイクスルー感染症) 
 トリコスポロン (Trichosporon) は自然界に広く分布する酵母様真菌で、表在性、深在性
および夏型過敏症肺炎の原因菌として知られています。近年、特に好中球減少の
易感染宿主において、致死的な深在性真菌症を起こす菌として注目されています。
本菌の特徴として、抗真菌薬のmicafungin (MCFG) には耐性を示します。このため、MCFG投与が本症のリスクファクターとなるブレイクスルー感染症が指摘されています
(深在性真菌症の診断・治療ガイドライン2007)。
本菌の治療にはアゾール系が有効であり、中でもvoriconazole (VRCZ) のMICは低く感受性
は良好です (余談:VRCZ投与中のムーコル症もブレイクスルー感染症です)。
 本症の血清学的診断には、特異性は低いですが (1→3) -β- D-glucan検査が陽性と
なるため有用性があります。さらに、トリコスポロンはクリプトコッカスの莢膜抗原 (glucuronoxylomannan:GXM) との共通抗原が存在するため、クリプトコッカス抗原検査を
補助的診断法として用いることができます (クリプトコッカスは (1→3) -β- D-glucan検査が
陰性です)。
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