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MRSAのバンコマイシン治療における最近の知見  
 バンコマイシン(VCM)に対するMICが中等度耐性(4~8μg/ml)の黄色ブドウ球菌をVISA:vancomycin-intermediated-resistant Staphylococcus aureusと呼びます。
VISAは、感受性株(2μg/ml以下)に比べて高率 に致死的感染症を起こすとされています。
またVISAを検出した症例の多くに、長期間のVCMの繰り返し先行投与歴があります。
VISA出現防止には、不要な長期投与を避けることとMICを監視することが重要と思われます。
 一方で、β-ラクタム薬によってVCM耐性が誘導される特性をもつ BIVR:
β-lactam antibiotic induced-vancomycin-resistant MRSAもVCM治療上の問題点です。
BIVRについては、VCMとIPMを使用した感染性心内膜炎の治療中にBIVRが出現して救命できなかった例(感染症誌2001;75:473-9)が報告されています。β-ラクタム薬と併用するグリコペプチド系を選択する場合は、拮抗作用を示さず、強い相乗効果と殺菌作用を持つテイコプラニンが望ましいという報告があります。
  VCMとβ-ラクタム薬の併用時に治療効果に乏しい場合は、BIVRに変化した可能性も考慮する必要がありそうです。
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