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クリンダマイシン(CLDM)の誘導耐性
 ブドウ球菌とレンサ球菌感染症において、CLDMの薬剤感受性試験結果が「感受性」であるにもかかわらず、薬効が得られない例があります。これは潜在的なCLDM耐性菌(erm遺伝子を持つCLDM感受性菌)によるもので、治療中にerm遺伝子が構成型に突然変異してCLDM耐性菌が選択されるためです。米国臨床検査標準委員会(CLSI)は2004年よりerm遺伝子をもつCLDM感受性菌の検出にD-testを行うことを提唱しています。
 このerm遺伝子の存在を確認するD-testは、エリスロマイシン(EM)で誘導産生されるerm遺伝子産物がリボゾームをメチル化してCLDMを耐性化することを原理とします。実際にはEMにCLDMディスクを近接させることで陽性菌はerm遺伝子産物が誘導産生された部分で誘導発育し、CLDM阻止円が○型からD型に変化します。
 CLSIではD-testが陽性の場合「有効性を残したCLDM耐性」として臨床側へ報告し、使用注意のコメントをすることを求めています。2008年のCLSIドキュメントより、従来のディスク拡散法によるCLDM誘導試験に加えて液体希釈法が追加されています。
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