Streptococcus pseudopneumoniaeは2005年に承認された新しい菌種であり、その名が示す通りStreptococcus pneumoniae (肺炎球菌)とコロニー形態がきわめて類似し、鑑別の難しい菌と言われています。一般的にS. pseudopneumoniaeは、肺炎球菌の莢膜を持たず、オプトヒン感受性試験が5%CO2環境では耐性でO2大気中では感受性となり、胆汁溶解試験は非溶解とされています。 しかし遺伝子レベルの同定結果から、この性状を満たさない菌株が報告されており、信頼できる鑑別法は今日においても議論の的です。
本菌の病原性について、肺炎球菌の莢膜を持たないにもかかわらずマウスに対して病原性を示すことから、ply gene の保有によるpneumolysinの関与を示唆する報告があります (J. Clin. Microbiol. 44: 2240-2241. 2006)。また、慢性閉塞性肺疾患(COPD)とその増悪に関係する可能性があり、さらに「Binax NOW肺炎球菌」が陽性となるという報告があります (J. Clin. Microbiol. 44: 923-927, 2006)。
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