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ニューキノロン低感受性菌の話題 
 サルモネラ菌による腸チフス、パラチフスの国内の年間発生件数は、それぞれおよそ50~70例、20~30例で推移し、その8~9割が輸入例であり、多くがインド亜大陸、東南アジアの旅行者に発生しています。治療には第一選択薬にニューキノロン(NQ)が用いられますが、2006~7年インド帰国者3名よりNQ耐性のチフス菌が分離されています。NQ低感受性菌は年々増加しており、薬剤感受性試験が感受性域でありながら治療効果に乏しく、発熱期間が遷延する原因となります。2008年の集計では、腸チフス、パラチフス共に分離株の75%を占めています(IASR 2009;30:91-92)。このNQ低感受性菌の治療には、第3世代セフェムあるいはアジスロマイシンの併用が有効とされています。
 一方で、シゲラ菌による国内での細菌性赤痢患者および無症状病原体保有者の届出は年間300例を超え、アジア地域での国外感染が過半数を占めています。近年この中にNQ耐性菌とNQ低感受性菌が含まれるようになりました。このNQ低感受性菌の場合には、NQ治療後に排菌が持続する例が報告されています(IASR 2002;23:62-63)。
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