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CA-MRSA(PFGE型USA300)の国内発症 
 MRSAはHospital–associated MRSA(HA-MRSA)の院内感染型とCommunity–associated MRSA (CA-MRSA)の市中感染型の2つのタイプに区別されます。1990年代後半から出現したCA-MRSAは新興感染症に位置づけられ、皮膚接触によって健康な小児や若年運動選手に皮膚・軟部組織炎、さらには重篤な市中肺炎や敗血症も惹起する病原性の強いMRSAとして知られています。現在、米国で急増しているCA-MRSA(PFGE*型USA300)が、カナダ、ヨーロッパ、中南米、アジア、オーストラリアなど世界各地でも検出され、その広がりが懸念されています。  *PEGE(パルスフィールドゲル電気泳動)
 このUSA300の国内感染例は、米国で生まれて日本に滞在した女児(3か月)の皮膚・軟部組織炎と、国外に行ったことがない女児(11か月)の蜂巣炎と敗血症の2例が、それぞれ2007年と2008年に報告されています(J Infect Chemother. 16:292-7,2010.)。
 CA-MRSAによる感染症を疑う鑑別診断基準は、外来患者および入院後48時間以内にMRSAが検出され、MRSAの感染症・定着の既往がなく、1年以内の入院・施設入所・透析・外科手術の既往がなく、経皮的カテーテルや医療器具の留置がないことのすべてを満たすとされています。
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