Candida parapsilosisはCandida属のなかでも血液培養から検出されることが多く、バイオフィルム形成能力の高いことよりカテーテル感染に関係する酵母様真菌です。サンフォードガイドでは、本菌に対する抗真菌剤の使用について「治療が奏効するためには、異物あるいは血管内器具の除去が必要」と記載されています。
さて、最近C. parapsilosisは、Candida parapsilosis complex と表記されます。これは遺伝子レベルの同定によりC. parapsilosis (C.p), C. orthopsilosis (C.o), C.metapsilosis (C.m) の3菌種に分類されるのがその理由です (J. Clin. Microbiol. 43: 284-292. 2005)。
表現型からの3菌種の鑑別は不可能ですが、質量分析による同定に100%の鑑別力があることが最近報告されています (Eur J Clin Microbiol
Infect Dis. 31:67-71. 2012)。
この3菌種のうち、C.p は臨床検体からの検出率が約90%と最も高く、C.o と C.mは、すべての抗真菌剤に感受性の傾向があり、バイオフィルム形成能力も低いとされています。
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