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結核菌とBCGの鑑別
  Bacillus Calmette Guerin:BCGはMycobacterium bovis (ウシ型結核菌)の弱毒変異株で、結核性髄膜炎や粟粒結核などの小児の結核の予防、あるいは表在性膀胱炎の抗腫瘍効果や再発予防に使用されることがあります。
 近年、後者のBCG膀胱内注入療法に関係する尿路結核、粟粒結核がまれに報告され、結核菌とBCGとの鑑別が必要となるケースがあります。しかし、現在の日常的な結核菌遺伝子増幅法は、DNA、RNA増幅法のいずれもヒト型結核菌、ウシ型結核菌、BCGの3者を鑑別することはできず、M. tuberculosis complex として報告されています。
 一方で抗酸菌のゲノム解析が1990年代後半から現在まで進められて遺伝子の一次構造比較がなされてきました。その結果、ヒト型結核菌に存在してBCGに欠落する16の遺伝子領域(regions of difference:RD1〜RD16)が明らかとなっています。この領域をPCR増幅することで、あるいはシーケンス解析することで比較的容易に検査室レベルでの鑑別が可能となっています。
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