山口大学医学部附属病院 検査部 トップページへ e-mail
検査部について
検査部のご案内
検査のご説明
スタッフ
研究活動
最新のトピックス
研修生・大学院生募集
トップページ
薬剤耐性Mycoplasma pneumoniaeの話題
 Mycoplasma pneumoniae は細胞壁をもたない細菌で、市中肺炎原因の菌別分離頻度ではトップクラスに位置します。このマイコプラズマ肺炎は一般的に良好な経過をたどる疾患で、4年周期の流行を繰り返すことからオリンピック病と呼ばれていました。 しかしその傾向も1988年までで、現在の発生数は2000年を境に年々緩やかな増加傾向です。
 マイコプラズマ感染症の治療薬は、細胞壁を持たない細菌であることから細胞壁合成
阻害薬のペニシリン系やセフェム系は無効であり、マクロライド系、キノロン系、テトラサイクリン系が用いられます。
 近年の話題は、これら薬剤に対する耐性菌の出現であり、2000年頃より出現した国内のマクロライド耐性菌は、現在約15%を占めると言われています。 キノロン耐性菌は、Grusonらが2005年にin vitro実験で発生させた報告(Antimicrob Agents Chemotherapy. 49:1190-1193)がありますが、最近の国内の学会において臨床報告されています。しかしミノサイクリン耐性の報告はありません。
 このことより遷延するマイコプラズマ肺炎に遭遇した場合は、耐性菌の存在を考慮する必要があります。
微生物トピックス(過去歴)へ戻る