◇装置利用の手引き◇

示差走査熱量計

1.装置の概要
 リガク製の示差走査熱量計(DSC8230B/TAS100)で、物質の変態に 伴う潜熱、反応熱、比熱変化を150K〜950Kの温度領域で測定する。

2.試料および得られるデータ
 数mmgの粉末または液状試料をアルミパンにシールする。同量程度のアルミナを標 準サンプルとして詰め、一定割合(5〜10K/min)で昇温させ、両者の温度差が なくなるようにサンプルに余計に注入する熱量をDSC信号として、時間の関数でチ ャートにプロットする。
 TAS100では変態の温度や異常熱量の総量を面積から求める機能がある。ディ ジタルデータの外部取り出しは準備中。

3.利用上の注意
 450℃以上は不活性ガス雰囲気で測定する。低温は液体窒素を使用。結露を避け るため、窒素ガスで置換もしくは減圧のこと。
 サンプル融解や沸騰による「煮えこぼれ」は厳禁。サンプル室のカバーは脆いので 、ピンセットでつついたり、100℃以上で蓋を取るなどの急激な温度ストレスを加 えてはならない。

4.利用に際しての注意
 はじめて利用する場合は、センターに利用申請を出し、運用グループの指導を受け て下さい。

5.利用申込窓口
 運用責任者:増山博行(内線5675、e-mail:mashi@sci.yamaguchi-u.ac.jp)
6.利用料金
 消耗品は在庫がある限りは無料。液体窒素は利用者負担。故障の場合は責任に応じ て実費負担をお願いすることがあります。