オフセンター型極低温4軸回折装置
オフセンター型4軸回折装置
フーバー製;424+511.1
極低温小型冷凍機
APD製;DE201
Off-center Type Four-circle Diffractometer
Huber; 424+511.1
Cryostat
APD; DE201

 結晶にX線を入射すると,ブラッグの条件(2dsinθ=nλ)に従って,3次元的に特定の方向に回折X線が観測される.そして,これらの回折強度を解析することによって,元の結晶内の分子あるいは分子の3次元的な配列の様相を知ることができる.また,結晶の温度を変化させることによって,特定のブラッグ反射の強度が変化したり,新たな反射が現れることがある.このことから,結晶内で起こった構造相転移についての知見が得られる.

 本4軸回折装置は,従来の4軸回折装置と異なり,φ軸の回転機構がχ-グレードルからオフセットされており,この部分にヘリウムガス循環型の小型冷凍機が搭載できるようになっている.これにより,室温から約10Kまでの広い温度範囲にわたって,X線回折強度の測定が可能となっている.小型冷凍機の温度制御を含め,4軸回折装置は,ワークステーション(Sun MicroSPARC)で行う.

小型冷凍機を搭載時の4軸角度の定義
矢印の向きが各々の軸の正の向きに対応.
Rb2ZnCl4の超格子反射の強度の温度依存性.
この物質は74K以下の低温相でa,b軸の長さが2倍となる超 
格子構造をとる.反射の指数は低温相におけるものをつけている.