自動X線回折装置
理学電機工業株式会社製;RINT−2500V
 

 近年,材料の高機能・高付加価値化の流れは著しく目を見張るものがある.それにつれて,評価方法もより光度かつ高精度なものが求められてきており,特に分子や結晶レベルの情報はその材料特性と大きな相関を持っているため,これらを評価する手法として極めて有用な情報を得ることができるX線回折法(XRD:X-ray Diffracition spectrosropy)を用いた結晶構造評価手法は現在では必要不可欠なものになってきていると言っても過言ではない.

 X線回折法は物質を構成する原子がどのように配置しているかを研究する上で最も適した手法で,その歴史も古く1915年に W.L.Bragg が世界初の結晶構造解析を行ってから現在に至るまで,数多くの研究者達の手により多大な功績が残されていることからもその重要性が伺える.

 1997年度機器分析センターには,回転対陰極型自動X線回折装置(理学電機社製 RINT-2500V)が導入された.この装置は調整や設定,解析時の膨大な情報処理などを,エンジニアリングワークステーション(EWS)の手により円滑に行い,回転対陰極型の強力なX線発生源を用いていることによる時間の短縮化と,今まで困難であった微弱な強度の測定を現実化する事などに多くの成果を上げる事が期待される最新鋭の分析機器である.