全自動蛍光X線分析装置
理学電機工業株式会社製;RIX3000
Automatic X-ray Fluoresecnce Spectromter
Rigaku Corporation;RIX3000 

 X線を物質に照射すると,吸収されるかあるいは透過する.物質に透過されたX線は,2次X線やb 線に変換される.蛍光X線は2次X線の一種であり,X線の照射により励起された電子が原子の外部に弾き出され,その空位に,より高エネルギー準位にあった電子が遷移するときに発生する固有X線で,元素に特有である.
  蛍光X線分析法において,微量の4Be〜92Uを分析するため各種の改良が行われている。そのlつにX線管球の改良があげられる。Be〜Uを1種のRhターゲットで励起する方式に代え,2極のターゲットでRhの感度の劣る領域をカバーし,全範囲にわたり効率良く励起できるデュアルターゲットが考案されまた。本装置には,Rh,Wの2種のターゲットを取り付けたX線管球が装着されている。
  物質にX線を照射すると,物質に吸収されたX線の一部が各元素の種類によって固有のエネルギー(波長)を持った蛍光X線となって放出される.この蛍光X線を分光結晶で分光し,X線の波長と強度を測定することで,物質中に含まれる元素の種類と量がわかる.
 蛍光X線分析の特徴は,@分析が迅速,A非破壊分析,Bスペクトルは化学的状態に影響されない,C化学的に同族の元素の分析が容易,D分析精度が高く4Be〜92Uの分析が可能,E定性分析が容易,F厚みの分析ができる,G試料準備が容易などである.
鉄鋼,非鉄金属,セメント,セラミックス,化学,石油,石炭,エレクトロニクス, 農業,地質学,紙,パルプ,環境の分野で利用されている. センターに設置された理学電機工業株式会社製の全自動蛍光X線分析装置 理学/RIX3000にはRh/WデュアルターゲットX線管球が装着されておりRh管球の感度の劣る領域をW管球でカバーし,全範囲にわたり精度良く測定できるように配慮されている。また,標準試料なしで定量分析ができるファンダメンタルパラメータ(FP)法ソフトウエアも搭載されている.

蛍光X線分析装置の構成図