2012年 数楽工作倶楽部 第2回
第2回目の工作倶楽部では、下のような「菱形六十面体」をペーパークラフトで作りました。
今回も化学専攻の学生が加わり、準結晶の構造と今回製作した菱形六十面体との構造の関係について議論しました。
作り方(前回の菱形三十面体と比べると少し難易度が上がります)
材料は前回の菱形三十面体と同じですが、ギザギザの帯を今回は12本使います。
型紙DL (PDF)
以下が製作工程です。(クリックすると拡大します)
行程で重要な箇所には、型紙にガイドの番号を印刷しています。○数字の上に○無しの数字を重ねるように組み立ててゆきます。
@の面の上に1の面を、向きが同じになるように重ねてゆきます。同様にA、B、C、Dの面を順番に 2、3、4、5に重ねてゆきます。
このとき、下の写真のように、1〜5の面で作られる星形に巻きつけるように6本目を編みこんでゆきながら組むと安定します。
(写真では、6本目として巻きつけた帯の色を変えています。)
次に、E、F、Gの面に、順番に6、7、8の面を重ねて3枚の菱形「トゲ」を作ります。
同様に、「H、I、J」、「K、L、M」、「N、O、P」、「Q、R、S」の面の上に「9、10、11」、「12、13、14」、「15、16、17」、「18、19、20」の面を重ねてトゲトゲと作ってゆくと、最終的には下の写真のようになります。
さらに、「6、10」、「9、13」、「12、16」、「15、19」、「18、7」の面に挟まれた菱形を1面に持つトゲを編んでゆきます。
最終的に、最初に作った「1、2、3、4、5」に接する5個の星が出来上がります。
このあたりまでくると、形もかなり安定してきます。
最後の行程は、最初に作った「1、2、3、4、5」の星の反対側に星を作る作業です。
この星にも同様に、12本目として色を変えた帯を巻きつけてゆきます。
すると、最終的にはこんな形になります。
この時点で、長いものと短い帯の端が5本ずつ残っていますが、まず短い方を全て穴の方へ折り込みます。
そして、残りの長い方の残りを写真のように順番に重ねてゆきます。
そして、長い方の端を、下の写真のように最後に巻きつけた帯に差し込んでゆきます。
この作業を残されたすべての端に行うと完成です。
完成すると、薄手の厚紙で作っても相当しっかりとしたものになります。強度的にはコピー用紙で作っても問題ありません。
全ての帯は、他の帯と互い違いに交差しており、今回のモデルも外観上はそうなっています。
ただし、厳密には最後の行程で穴の方に折り込んだ短い方の端はそのようになっていません。
ちなみに、今回編んだ菱形六十面体の帯の構造だけを取り出すと、次のようなものと同一視できます。
そのうちに、数楽工作倶楽部でも、このボールの作り方を紹介してゆきたいと思います。