2012年 数楽工作倶楽部 第3回製作物


第1回・第2回で製作した「菱形三十面体」と「菱形六十面体」、これに「菱形二十面体」を加え、5回回転対称の空間充填モデルを製作しました。これは、「準結晶」とよばれる2011年ノーベル化学賞受賞理由ともなった原子構造で、並行移動による周期性を持つ通常の結晶とは異なる、回転対称の規則性を持っています。
数学の世界では、二種類の菱形で実現される非周期的なタイリングであるペンローズタイルや、非周期的な空間充填の問題、また半正多面体の幾何学構造とも深い関係があります。

今回用いる3種類の多面体です。


茶色: 菱形六十面体、紫: 菱形三十面体、黄色: 菱形二十面体(菱形三十面体を薄っぺらく円盤状にした立体で、6本の帯で編む菱形三十面体に対して、1本少ない5本の帯で編む)以下、単に60面体、30面体、20面体と呼ぶことにします。
使用する個数は、60面体×13、30面体×20、20面体×12です。
(菱形20面体のパーツDL)
※菱形20面体は5本の帯で作られます。作り方は、菱形30面体を編む行程から6本目の帯の編みこみを省いたものです。

前回までに編み方をマスターした工作倶楽部メンバー総出で作りました↓


組み立ては次の通りです。(クリックで拡大します)

@60面体のまわりに30面体をつなげる。
  (裏返したもの)

A60面体5個を加える。


B30面体5個を加える。


C内部のくぼみを、20面体12個で囲まれた60面体で埋める。
 →  →

 → 

D30面体5個を加える。(36度回転しています)


E60面体5個と30面体5個を加える。


F60面体でふたをすると完成。


外側から見える60面体と30面体をそれぞれサッカーボールの黒い正五角形と白い正六角形とみなすと、この立体は切頂二十面体とみなすこともできます。

(切頂二十面体)



この立体を真上から眺めると、平面への射影がペンローズタイルになることがわかります。


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