工作 2

 


2009年7月に、ロンドンの科学博物館(The Science Museum)の数学関係の展示の中で見つけた

 

  

 

に感動し、ぜひ自分でも作ってみたいと思いました。

ちょっと見ればわかるように、円柱の側面に描いた正弦関数上の向かい合う2点を結んだだけの、非常に単純なモデルです。

製作自体には、特別な道具もテクニックも必要ありませんが、円筒形の部品調達が意外に大変だということがわかりました。

今回は試作品ということで、とりあえず、ゴミ捨て場に落ちていたCD-Rのケースを使用しました。(実は真の円筒形ではありませんが、他に適当な素材がありませんでした。)

 

今回は製作途中の写真がありませんが、製作方法は完成写真から容易に想像できると思います。

( オリジナルのモデルと比べるとかなり見劣りがしますが、次回はもう少しお金もかけて見栄えがするものを作りたいと思っています。)また、下の数学の説明 と対応させるため、モデルを横倒しにして針金は貫通させています。この場合、強度確保のために太めの針金を使用せざるをえず、開けておいた針金を 通す穴の半分しか使用できませんでした。

 

 

     

 

   

 

ところで、この針金で表された直線の軌跡はどうのような図形になるでしょうか。

円筒の半径を1とし、地面と平行にxy平面、円筒の中心をz軸、側面に描いた正弦関数の振幅を2とすると、円筒側面の向かい合う2点 P1, P2 は次で表されます。

 

よって、これらを通る直線は次で表されます:

これから k と θ を消去して z について解くと次の曲面の方程式が得られます:

上の関数 z=z(x,y) は、原点で連続でない典型的な例として教科書などで紹介されていますが、このような模型の形で眺めると、不連続な原点での様子が少しは実感できるのではないかと思います。


 

Back