教授挨拶

教授挨拶

教授 矢野 雅文

平成24年8月1日付で山口大学医学部器官病態内科学(第二内科)の教授に就任いたしました。第二内科は、小沢政次先生(昭和21年1月~昭和29年3月)、三瀬淳一先生(昭和29年4月~昭和52年8月)、楠川禮造先生(昭和52年9月~平成4年8月)、松崎益徳先生(平成4年9月~平成24年3月31日)と、過去4代の教授により主宰されてきた伝統のある教室であり、私で5代目です。 第二内科は、循環器疾患を中心に呼吸器、膠原病、腎疾患と、幅広い領域を担当しています。近年、高齢化に伴い循環器疾患患者は増加の一途をたどり、さらに腎臓病や呼吸器・感染症の合併により病態は複雑化し多臓器障害により重症化することを臨床実地上しばしば経験いたします。このような病態においても第二内科はその幅広い診療領域を生かし専門性に裏付けされた高度な総合内科的診療により多くの患者さんを救命してまいりました。 今後も、身体のみならず精神・社会的側面を含め多面的に統合的な視野にたって全人的医療が出来るような優れた医師を養成しつつ、安心して診療をまかせていただけるよう地域医療に貢献していきたいと考えています。

また高度先進医療や最新の研究にも積極的に取り組んでいきたいと思っています。特に、15年以上の研究基盤があり世界的にも認知度の高い教室オリジナルな研究として、心筋細胞内カルシウム(Ca2+)ハンドリング是正による新たな心不全・不整脈治療法の開発や、新しい冠動脈イメージングによる急性冠症候群(ACS)の発症予測および予防には引き続き注力したいと考えています。

教室の大きな役割の一つは優れた臨床医の育成であり、このため医学生の卒然・卒後教育には特に注力いたします。見学型から診療参加型にシフトし、循環器・呼吸器・膠原病・腎疾患の初期対応から専門的治療までのプロセスをしっかり学べるよう学生・研修医を診療活動に組み込み、指導医によるマンツーマンの指導を中心とした教育環境を強固にいたします。とくに第二内科はチーム医療を得意としており、ダイナミックな循環器救急診療を学ぶ場としては最適です。

さらに研究なくして臨床の発展は望めないため、基礎研究・臨床研究をともに充実させ、特に日々の臨床で得られた素朴な疑問、アイデアを大切にして疾患の病態解明、新たな診断・治療応用につながるような独創的で質の高い研究を目指します。 単に学位論文を取得するため、あるいは研究のための研究ではなく、「現象を客観的にとらえ、仮説をたて検証する」という行為の繰り返しの中で自然科学的思考力を養うと同時に、このような研究活動を若手のポテンシャルを引き出すきっかけとし、将来、優れた臨床医または医学者になることが出来るように指導・育成したいと考えています。

以上、教育・研究・臨床を有機的に調和し教室を発展させ求心力を高め、一人でも多くの有能な医師を養成し地域医療に貢献すべく教室員一丸となって努力してまいる所存です。