第73回西日本脊椎研究会 抄録 (脊椎外傷(頸椎) ) |
1.当院における上位頸椎の治療成績
神戸赤十字病院 整形外科
○森田卓也(もりたたくや)、伊藤康夫、越宗幸一郎、水野正一郎
【目的】当院における上位頚椎損傷の治療成績について報告する。 【検討項目】受傷機転,ASIA impairment scale(AIS),骨折型,手術法,合併損傷,合併症,転帰等について検討した。 |
2.軸椎歯突起骨折に対する環軸椎後方固定術での仮骨不良例の経験
熊本大学大学院生命科学研究部運動骨格病態学分野 ○藤本 徹(ふじもととおる)、瀬井 章、谷脇琢也 【目的】軸椎歯突起骨折に対する観血的治療は前方スクリユー固定術が一般的だが、整復不良例や高齢者の場合は環軸椎後方固定術が選択される。今回後方固定術を施行した5例のうち2例にC1後弓・C2椎弓間の骨癒合不全を認めたので報告する。 |
3.非常に稀な第2頚椎前方脱臼の1例
大分整形外科病院*、自衛隊別府病院** ○酒井 翼(さかいつばさ)、大田秀樹*、松本佳之*、中山美数*、木田浩隆*、竹光義治*、巽 政人** 【抄録】 |
4.脊髄損傷を免れた第6頸椎脱臼骨折の1例
鳥取県立中央病院整形外科 ○村田雅明(むらたまさあき) 【抄録】第6頸椎の脱臼骨折で、椎弓骨折をともなったために脊髄損傷を免れた1例を経験したので報告する。 |
5.絞首による頚椎脱臼骨折後に救命した一例
北海道中央労災病院せき損センター ○森平 泰(もりだいらひろし)、須田浩太、揖野知道、笹沢史生、上田明希、中尾弥起、東條泰明 【症例】56歳、女性。自宅内にて成人男性による絞首によって受傷した。早期に発見され三次救急病院にて救命処置をうけた。低酸素脳症は認めなかったが、完全四肢麻痺があり、自発呼吸微弱のため気管内挿管された状態にて、受傷翌日に当院に紹介された。頚椎はC3/4レベルにおいて強い不安定性を伴って脱臼転位していた。MRl上、椎間板は破断し、棘上棘間靭帯、椎間関節の離開を認めた。また同部において、脊髄の広範な髄内信号変化を認め、頚髄損傷による完全四肢麻痺と診断した。同日、緊急手術を施行した。 C3にて左側の外側塊骨折を認めたため、C2〜5の右側の椎弓根スクリュー固定と棘突起ワイヤリングを併用して整復固定した。同時に気管切開を行った。術後気道管理ならびに早期より肺理学療法を行い、合併症もなく経過している。受傷後2ケ月の現在、四肢完全麻痺であるが、日中のみ人工呼吸器を離脱している。 |