第78回西日本脊椎研究会  抄録 (一般演題2)

9.骨粗鬆症性椎体骨折を伴った変性後彎・後側彎症の手術方法

 

医療法人オアシス 福岡志恩病院

 

小橋芳浩(こはしよしひろ)、園田康男

 

脊柱変形において、骨粗鬆症性椎体骨折を伴った変性後彎・後側彎症がある。このような脊柱変性後彎、後側彎症は急激な脊柱矢状面バランスの悪化に伴い、腰痛、歩行障害、消化器症状などを引き起こしQOL低下の原因となる。
【目的】
骨粗鬆症性椎体骨折を伴った脊柱変形の手術方法を検討すること。方法;椎体骨折の部位により胸腰椎移行部、下位腰椎部の2郡に分類した。この2郡において、術前立位レントゲンにおける、腰椎前彎角およびPT値によりそれぞれ手術方法を検討した。
【結果】 胸腰椎移行部での骨折の場合、腰椎前彎角は大きくなりバランスをとるが、腰椎前彎角がPI-20°以下で、PT値が40°以上の場合アライメント不良となる、、このような症例には後方in situ固定では改善は難しくPSOのような手術が必要となる。下位腰椎での骨折の場合、PI値に準じた腰椎前彎の獲得が必要となる。術前PT値が40°以下の比較的やわらかい後彎の場合、後方椎体間固定で対応できるが、PT値が40°以上となる場合PSO,VCRを含めた手術の検討が必要となると思われた。

10.骨粗鬆症性椎体骨折への椎体形成術後の後彎変形に対する矯正骨切り術

 

大分整形外科病院 整形外科


大田秀樹(おおたひでき)、松本佳之、中山美数、酒井 翼、小林達樹、井口洋平、木田浩隆、竹光義治

 

【目的】
骨粗鬆性圧迫骨折は腰背部痛だけでなく、後彎変形に由来した胸部腹部圧迫感が混在していることが多い。椎体形成術を行ったが後彎変形が進行し矯正骨切り術を行ったので報告する。
【対象】
症例1:81歳、女性。L1圧迫骨折後偽関節に対して椎体形成術とinstrurmentationを行った。Pedicle screwのback outが生じ、後彎変形による腰背部痛と胸腹部の圧迫感が出現した。L2のPSOを行い後彎変形は改善し症状も消失した。症例2:79歳、女性。T12の圧迫骨折に対し椎体形成術が施行された。その後TIl,L1も骨折し、高度な後彎変形による腰背部痛と胸部腹部の圧迫感が出現した。Tl1にHAによる椎体形成とTl2にPSOを行った。胸腹部の圧迫感は消失したが腰痛の残存がある。2例とも術前からPTH製剤を使用した。
【結語】 骨粗鬆症性椎体骨折の症状は偽関節の痛み以外に、後彎変形に由来する症状も混在している。後者が主体と思われる症例には骨切りなどにてalignmentを矯正する必要がある。

11.骨粗鬆性椎体骨折後遅発性麻痺に対する脊椎後方短縮術一Modified PSO and Modified PLIF一

 

徳島市民病院 整形外科


千川隆志(ちかわたかし)、玉置康晃、高砂智哉、中川偉人、中村 勝、中野俊次、島川建明


【目的】
骨粗鬆性椎体骨折後の遅発性麻痺に対して、Pedicle subtraction osteotomyを応用した後方短縮とModified PLIFの術後成績を後ろ向きに検討した。
【対象と方法】
2008年以降当科手術を行った13例(男9、女4)を対象とした。平均年齢は71.5歳、平均経過観察期間は21.9ヶ月であった。手術は、Modified PSOによる後方短縮、不安定な頭側椎体終板と頭側椎間板を郭清しPLIF cageと充分な骨移植による前方再建を行い、固定範囲を腰椎が1〜2椎体、胸椎が2〜3椎体として固定上下端にClaw hookとネスプロンテープで補強した。術前後の局所後彎角、術後合併症、骨癒合について検討した。
【結果】 局所後彎角は、胸椎例では術前13度が術直後7.5度で最終調査時まで維持され矯正損失はなかった。腰椎例では術前10.3度が術直後-7.3度で最終調査時は-2.0度となり、5.3度の矯正損失があった。術後合併症は、claw hookのチーズカットとScrew周囲のLooseningを1例、Screw周囲のclear zoneを2例、固定隣接椎体の圧迫骨折を2例認めたが全例骨癒合が得られた。

12.骨粗鬆症性椎体骨折に対する脊椎後方短縮術の検討

 

山口大学大学院医学系研究科整形外科


高橋洋平(たかはしようへい)、寒竹 司、今城靖明、鈴木秀典、吉田佑一郎、田口敏彦

 

【はじめに】
我々は局所後弯を伴う骨粗鬆性椎体骨折例に対して主に脊椎後方除圧短縮術を行ってきた。今回その術後成績を検討した。
【対象および方法】
対象は2005年以降,当科で脊椎後方短縮術を施行した28症例(男性8例、女性20例)で、手術時平均年齢は71.9歳、罹患椎体はTh12 16例、Ll 7例、 L2 5例、 L3 1例であった。手術方法は後方アプローチで進入し固定椎間に椎弓根スクリューを挿入した後、後方、前方から除圧して短縮を行った。これらの症例について術後合併症、手術時間、出血量、局所後彎角の変化について検討した。
【結果及び考察】手術時間は平均5時間44分、出血量は平均803gであった。術後合併症は硬膜外血腫1例,深部静脈血栓症1例,化膿性脊椎炎1例であった。局所後弯は全例で術後改善がみられた。腰背部痛,麻痺症状も概ね改善した。本術式は十分な後弯矯正と前方徐圧が可能であり、インストゥルメントの脱転力を減少させる。手術侵襲が高い点が問題であるが慎重に適応を選べば椎体後壁損傷を伴い局所後弯変形の強い症例に対して有効な術式と考える。

14.101歳の腰椎椎体骨折に対する手術経験

公益社団法人鹿児島共済会南風病院


高橋建吾(たかはしけんご)、川内義久、鮫島浩司、富村奈津子

 

【はじめに】
人工の高齢化とともに脊椎手術をうける患者も年々高齢化し、最近では80歳を超えても適応があれば脊椎固定術を行うようになってきている。今回は101歳の腰椎椎体骨折の患者に対し脊椎固定術を行い、良好な経過を得たので報告する。

【症例】 100歳、女性で平成22年5日に自宅で転倒受傷。背部痛出現し当科にてレントゲン施行したが明らかな骨折は認めなかった。しかし背部痛継続したため腰椎MRI施行。第一腰椎新鮮圧迫骨折の所見を認めた。保存的に加療をおこなったが骨癒合が遷延し疼痛も改善しなかった。その後CTにて第一腰椎椎体骨折が破裂骨折の様相を呈し硬膜管が著明に圧迫されている所見を認めた。この頃より両下肢痺れ、下肢筋力低下、排尿障害出現。高齢ではあったが全身状態は良好であり、本人と家族の希望もあって手術加療の方針となった。第一腰椎椎弓切除と第11胸椎から第3腰椎にわたる後方固定術を行った(手術時年歳101歳)術後背部痛は消失、下肢痺れも消失し排尿障害も改善。室内歩行も可能となり経過良好である。