農学部連合獣医学科棟

●調査期間 1992年9月8日〜11月13日
●調査面積 約980m
●調査担当者 豆谷和之
●文献 豆谷和之 1994
   「第2章 吉田構内農学部連合獣医学科棟新営に伴う発掘調査」
    山口大学埋蔵文化財資料館(編)
   『山口大学構内遺跡調査研究年報12』
調査区北半部(南西から)
         調査区の概要
 この調査区では、北から南に蛇行して流れる河川跡が確認されました。河川の深さは、0.4m〜1mを測ります。調査区内では、河川の東側の川岸が検出されたに留まりましたが、近隣地の調査から、この河川の東西幅は17m以上、25m以下であることが確認されています。
 この河川跡は、メディア基盤センター敷地内で確認されている縄文時代の河川跡につながるものと考えられます。
 河川内からは、旧石器時代の石器や、縄文時代の土器、石器などが出土しています。これらの遺物の内、旧石器時代から縄文時代晩期以前の遺物は上流部からの流れ込みであり、この河川がおもに機能していたのは縄文時代晩期と考えられます。
 また、この河川跡の埋土を遺構面とした近世の水田遺構と土壙も検出されました。
 以上のように、この調査区では旧石器時代の遺物の出土とともに、縄文時代の環境を復元する上での重要な資料を得ることができました。
旧石器時代の遺物
(左)黒曜石製のナイフ形石器
ナイフ形石器とは、文字通り物を切るという用途 の他に、柄に装着して刺す道具として使われてたと考えられています。
(右)サヌカイト製の尖頭器
尖頭器とは、先頭を尖らせた、物に突き刺すための道具です 
縄文時代の遺物
 河川内からは、縄文時代の遺物が多数出土しています。
 「調査区の概要」で記したように、その大半は縄文時代晩期に該当する土器です。しかしながら、晩期以前の遺物も見られること、また晩期でも時期幅(土器の型式差)を有していることから見て、この河川が長期間にわたりその流路を微妙に変化させながら存続していたことがうかがわれます。
 右の写真は、縄文時代晩期の深鉢形土器と、時期は限定できませんが縄文時代に属する石器です。
縄文時代晩期の深鉢形土器
縄文時代晩期の深鉢形土器
石鏃
石匙
※動物の皮などを切る
 ための道具
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