髙野 伊代

好きなこと、やり続けよう!~『ミセスオブザイヤー2023』日本代表の髙野さんから学ぶカッコいい生き方~

ミセスオブザイヤーは、「チャレンジをし続ける、愛と感謝に溢れたカッコいい女性に」をテーマとした、「行動の美」を競うコンテストです。

このコンテストは2020年に、「SDGsゴール5」「ゴール17」「地方創生」を目標に掲げ、日本で誕生しました。世界大会を毎年日本で開催し、今ではアジア最大級のミセスコンテストとして大きな注目を浴びています。コンテストの出場者は、各都道府県での大会を経た後、日本大会を勝ち残った方々が世界大会へと進みます。

山口大学医学部保健学科の卒業生である髙野伊代さん(38歳、大学職員)は、このコンテストにおいて、20~42歳の既婚女性を対象としたBrilliant(ブリリアント)部門に出場し、見事世界大会出場の権利を獲得しました。このコンテストを知ったきっかけは、数年前に博多で開催されたスピーチ講座に半年間通っていた際、2年前の「ミセスオブザイヤー」世界大会に出場した女性の体験談を聞いたことであると言います。髙野さんはスピーチを聞いて興味を持ち、その女性と連絡先を交換して交流を重ねる中で、「出場してみないか」と誘われたのだそうです。髙野さんは大会のコンセプトや成り立ちに共感するとともに、面白そうだと思う気持ちが強くなったと言います。

髙野さんの物語は、多くの人々にとって感動的であり、彼女の決断には多くの教訓が込められています。

まず、彼女が直面した選択の難しさは、多くの人が共感する部分です。仕事や個人的な目標と家庭や子育ての責任を両立させることは、多くの母親が直面する課題です。子供たちを思いやる気持ちと自己の成長や挑戦への欲求の間で揺れ動く姿は、多くの人にとって共感を呼び起こすでしょう。

その上で、彼女が最終的に自分の心に問いかけ、後悔を避けるために挑戦することを決意した点は、大きな勇気と決断力を示しています。時には自分自身に問いかけ、選択の意味や目的を見つけることが重要です。その結果、彼女は自己成長と個人的な満足を得ることができたでしょう。

また、彼女が家族や友人の支援を受け、自分の夢や目標を追求するためにサポートを受け入れたことも重要です。時には他者の助けを受け入れることで、自分自身の成長や目標達成が可能になります。

この物語は、挑戦と自己成長の重要性を示すだけでなく、家族や友人との絆や支援の大切さも教えてくれます。そのようなサポートがあることで、個人はより大きな目標に向かって前進し、成長することができるのです。

日本大会当日、ステージに上って会場を見渡してみたとき、自分がそこに立てていることは紛れもない奇跡であり、本当にありがたいことなのだと実感したそうです。旦那さんやご友人をはじめ、「ミセスオブザイヤー」の運営に関わるスタッフの方々や出場者の皆さんなど、たくさんの方に支えられて初めて参加できていることに気づき感謝の念がわき起こったと言います。

そして、「あきらめずに行動し続けて良かった」と強く思ったと語ります。真に「行動する」とはどういうことか、初めて体感できたとのことです。こうして日本大会で特別賞を受賞し世界大会への出場を決めた髙野さんは、グランプリ獲得という次のステップに進むため、新たな挑戦をすることとなりました。

日本大会当日、ステージに上って会場を見渡してみたとき、自分がそこに立てていることは紛れもない奇跡であり、本当にありがたいことなのだと実感したそうです。旦那さんやご友人をはじめ、「ミセスオブザイヤー」の運営に関わるスタッフの方々や出場者の皆さんなど、たくさんの方に支えられて初めて参加できていることに気づき感謝の念がわき起こったと言います。

髙野さんは、世界大会に出場するために必要な資金を賄うため、クラウドファンディングを行うことにしました。もちろん、1円も集まらない可能性があることは分かっていたと言います。それでも、世界大会に行きたい気持ちをなかったことにしたくはないし、あきらめたくないと感じたそうです。そして、世界大会に出るためのクラウドファンディングという挑戦、すなわち「挑戦のための挑戦」をしてみようと決意したと語ります。

初めての挑戦のため目標額の設定にもかなり悩みましたが、その金額が集まらなければ受け取れないAll-or-Nothing形式を選びました。最初の目標を50万円に設定して、InstagramやFacebookで発信したところ数日で目標を達成することが出来ました。このため、セカンドゴールを80万円に再設定すると、なんと最終的には107人から100万円を超える寄付が集まったのです。寄付してくださったのは、中学校や高校の同級生やママ友、昔訪れたゲストハウスで一度だけお会いした方など、これまで出会った方やお世話になったたくさんの方々でした。

髙野さんは、日本大会で特別賞を受賞したもののトラブルにより納得のいくパフォーマンスが出来ずとても悔しい思いをしたと言います。できるなら感謝の気持ちを込めて楽しみながらもう一回歩きたいと何度も思い、世界大会は日本大会のリベンジの機会と捉えました。初挑戦のクラウドファンディングも、これまでの人生で出会った多くの方々が支えてくださっていることにあらためて気づき、その方々の応援に力が湧いてきて、「皆でグランプリを獲りに行くんだ!!」という気持ちになったそうです。

現在、髙野さんは、今年6月に行われる世界大会の出場に向けてレッスンに通い、英語のスピーチやウォーキングに磨きをかけているそうです。髙野さんは、世界大会では「自分自身が納得できる、圧倒的な自己表現を見せたい」と意気込みを語ります。もちろん、美を追求する世界に終わりはないけれど、世界大会で最高のパフォーマンスを見せることができれば、これまで応援し支えてくれた方達への恩返しになるだけでなく、その経験により自分が今後どのように変わっていくのか今からとても楽しみにしていると、嬉しそうに語ります。

 髙野さんは、「自分の好きなことをとにかくやり続けてほしい」と語ります。髙野さんには、自分の中で「好き」「やってみたい」というエネルギーがなくなった辛い時期があったそうで、だからこそ自分の好きなことが見つかっているのは「すごいこと」であり、言い訳をせず目の前のことに一生懸命取り組んでほしいとのことです。まっすぐな「好き」という思いを大事にして進んでいった先で、出会うべき人や機会に巡り合うことができるのではないか、と言います。

 また、もし自分の好きなことが見つかっていないなら、「好きなことを見つけよう」というよりも、「ちょっとおもしろそうだな」と興味を持ったものに積極的に関わってみてほしいとのことです。直感的に惹かれたものは「好きなこと」にたどり着くためのステップではないか、と語ります。どこにきっかけが転がっているかは分からないから、興味を持ったものに手を伸ばし続けてみてほしいと言います。例えば、楽しそうにしている友達が近くにいるなら、その人と一緒に行動してみると何かしらの発見があるかもしれません。そうやっていつか、心から「好きなこと」だと思えるものに出会えるはずだと語ります。

(取材:広報学生スタッフ 別府桜羽子さん 2024年2月29日)