後期研修医日記⑫ 第128回日本眼科学会総会印象記
T先生
梅雨にはいり、湿度の高く蒸し暑い気候になってきました。
4月より異動にともない、新たな環境での仕事がスタートしました。
少しずつ慣れてきましたので、後期研修医日記を書きたいと思います。
大学病院の専門外来とは違い、現在の総合病院では幅広い疾患のご紹介いただき、日々研鑽を積んでおります。特に鑑別に難渋する疾患や治療方針の選択の難しい症例については、上級医の先生に相談し、ご指導いただいております。また手術についても1症例毎にその場でフィードバックしてくださり、非常に充実した時間を過ごさせていただいています。
そんな中、ご報告が遅くなってしまったのですが、2024年4月18日から21日まで開催された第128回日本眼科学会総会に参加させていただきました。
山口大学からは芦森先生が「RPE細胞における細胞進展刺激誘導性の血管新生因子はHIF-1αにより制御される」、吉本先生が「Raxホメオタンパク質はミュラーグリア細胞の恒常性維持に必須である」、和才先生が「角膜移植におけるドナー角膜保存液およびレシピエントのコロナ感染率の調査」という一般演題で発表され、自分はポスターで「傍乳頭血管腫に対して抗VEGF療法を施行した一例」を発表しました。
初めての全国学会での発表でとても緊張し、準備をしていた原稿を見ないように発表しましたがうまく話せませんでした。発表の準備でお世話になった湧田先生がいてくださり、無事発表を終えることができました。ご指導ありがとうございました。
特別講演では大阪大学の西田幸二先生による「幹細胞医療の将来性とインパクト」という楕演題でした。1988年は角膜ヘルペスに対してアシクロビルがでたばかりで、幹細胞疲弊症という概念がまだなく難治性角膜上皮障害と呼ばれていた時代とのことで少し驚きました。その後はさまざまな研究を重ねられ、現在はAIや仮想空間を融合させて研究を行う機関を設立されておられるとのことでした。今後どんな研究がなされるのか気になりました。
夕食は大学の同級生と会う時間を作ることができ、同級生が県外で働いているのを見るとよい刺激になりました。また土曜の夜には医局の先生方と食事会をすることができました。
初めての全国発表もあった刺激のある学会になりました。学んだことを少しでも活かしながら日常診療に取り組んでいきたいと思います。
おいしいご飯の写真は食べるのに夢中で撮り忘れてしまいました。
今後は学会で学んだことを日常診療にも活かしながら、日々診療で新しい知識や手技など経験を重ね、研鑽を積んでいきたいと思います。