「選択権は君にある」
研究テーマに興味があってかつ僕と相性が良ければ一緒に研究しましょう。説明はしますのでいつでも聞きに来てくれたら良いです。(研究はモチベーションが重要なので僕の方からリクルートすることはないです)講義や実習では教科書がベースになっているのでどんな学生がいても導けますが、研究はその場に応じたレクチャーや指導が必要になって手間がかかるし、一緒に汗をかくことになるのでお互いの相性がとても大事です。では相性とはなにか?
僕が苦手とするタイプを示しますから
それに極端に合致しない人が相性のいい人です。
①成績マウントする人・される人
学部学生の関心事はユニット試験の成績である事は百も承知です。入学まで間違いなく優秀な成績を修めてきましたのだから、成績に敏感なのは当然です。しかしながら医学部のユニット試験は詰込み型が多くて、そこでの成績の良し悪しは研究能力を全く担保しません。むしろ逆相関の傾向すらあります。たまに先生の中には「成績が良い子が来たから指導が楽だった。」という人がいますが、そんなことを感じだ事は今まで一度もないです。臨床医になるつもりで入学した人がほとんどでしょうから「なんで研究する必要があるのか?」「国家試験に関係ないでしょ。」と考える人はその時点で一緒にやるのは難しいです。研究って得するからやるとか、やらされるものではないので。「(乗り気じゃないけど)学部時代に研究やっといたら将来インセンティブもらえるからやっとこう。」とか意味分らんです・・・逆にユニット試験の成績が思わしくないからといって自分はダメとおかしな劣等感を持つ人も考えものです。降ってくる課題をひたすらこなす試験対応能力と研究能力は全く別物だし、「成績が悪いから自分には無理です。」はやれない理由にはならないので、その発想する人も僕と絶対に合わないです。
②コスパ・タイパ至上主義の人
答えが分かってたら誰も苦労しません。研究は試行錯誤の繰り返しです。効率は僕だって考えますし、無駄な事はやりたくないですが、やってみないと分からない事を手探りでやったり、失敗したらやり直したり確認する事は往々にあります。勿論、一番苦労するのは僕であるのは当然で、学生はやれる範囲で頑張ればいいのです。ただ、「頑張ったら負け!」とか冗談でも口にする人は僕とは根本的に合いません。多分、僕がキレます。。。「(バイト・部活よりも)研究頑張らんと!」そんなことは発表会直前2週間前とかでない限り、1ミリも求めていませんが、当たり前の努力が面倒な人はやはり難しいと思います。
③発表大大大嫌いな人
苦手な人は発表練習で徹底的に鍛えるので大丈夫です。しかし、研究発表というのは自分が頑張った事を自分の言葉で語る事が全てですから、発表が嫌いでやりたくない人はダメです。発表の場では自己顕示欲は強いくらいが良いです(笑)。出る杭はどんどん打たれましょう。そのうち打たれなくなれば本物です。
「研究には興味と確かな技術が必須」
研究テーマはどうやって決まるのか?僕もいつも悩んでる事です。役に立つ研究も大事なのですが、基本は興味です。人間というのは「納得した事」しか頑張れないので(特に僕の場合)、感性を大事にしたいです。それを具現化するのは確かな技術です。技術獲得には当然ながらトライアルエラーの研鑽が必要です。さらに「誰に習うか?」相談する先生を選ぶのも大切な力になります。僕もいつも誰かに習っていますが、大事な事は「難しい点を含めて本当の事を話す先生」に習うことです。僕自身、常に心がけている事ですが、質問してもはぐらかされたり、おべんちゃら言って良い気にさせようとするだけの先生を選ぶと成長できません。人の能力を見抜くのは大事な事です。
「研究はいつでも発展途上」
長年、研究をやってきましたが、ライフワークが確立して1つのテーマでずっとやれる人は幸せだと思います。でもそんな人はほとんど見た事がありません。固執してダメになった人は見てきましたが・・・研究は必ず過渡期があって3-5年くらいで過去の実績を継続しながらも徐々に形を変えてゆくものです。それを見切りと呼ぼうが路線変更と呼ぼうがどちらでも良いのですが、言えることは「発展し続ける」ことが成長です。同時に古いものは精査して整理してゆきます。僕は研究を通じて人が成長するプラットフォームを作りたいと思います。
「意味のある時間を過ごしましょう」
ここまで書いたのは、これが配属ガチャ・指導教員ガチャを防ぐ唯一の方法だからです。短時間の全体説明会などで分かるわけもなく、限られた先輩からの情報やデマを信じている学生が多いのも配属ガチャの原因です。ガチャはお互い様で、教員側も思っていることを開示しない限り、学生ガチャは絶対に避けられません。「正直」に生きない限りは、どこかで不必要な我慢することになります。嫌な事を避けつつ、全力で頑張れることを選択すれば良いです。相性の悪い子のことは書きましたが、半年ありますからマインドが変わる可能性は十分にあります。実際に変わった学生もたくさんいました。
「ずっと研究を続けてほしい」など全く思ってないし、部活・バイト、プライベートも大事な時間ですから、自由に行けばいいです。逆にダラダラ張り付いたからなんやねん?という話で、重要事項は時間ではなく質です。限られた時間で精一杯成長する事です。僕がしてあげられることは、このきっかけづくりですから、半年間を有意義に過ごして欲しいです。僕も君らと付き合う意味のある半年にしたいと思います。これが本当の「Quality of Life」の向上です。
「医学部生もフツーの大学生」
偏差値65超えで共通テスト8割5分をクリアして入ってくる医者の卵ですが、1~3年時を預かる僕からしたらフツーの大学生です。大学に入ったからこそ学ぶことがあります。大学ではいつまでも誰かの模範解答をなぞる勉強はいずれ飽きます。いつまでも先生の劣化コピーではダメで「新しい事」や「自分にできない事」にチャレンジして欲しいです。学ぶ土台がしっかりしてるのだから、やり方次第で君らが思う以上に色々な事はできます。
「一緒に成長しましょう」
大学院生はともかく学部生を「戦力」と見なす事は一切ありません。労働力でもないです。「学生が手伝ってくれた。」、「学生が頑張ってくれないと研究が進まない。」などあり得ない事です。20歳そこらの学部生が急に役に立ったらどう考えてもおかしいでしょう(笑)。初めは何も分からなくてOKです。一緒に勉強すればいいだけなので。また「指示した事だけやって欲しい。」みたいな「僕の劣化コピー製造」みたいな指導もしません。そんな指導が未来に繋がる訳がない。学生はあくまで研究や色々な経験を通じて「育てる」対象です。時がたてば、先生を超えてゆくものです。一方で、まだ未熟な学部学生を受け入れるメリットは勿論あって、学生に教えることで僕もたくさんの勉強をします。相性の良い学生ならという条件付きで、一緒に成長する事ができます。