卒論発表会の1週間後に修論発表会が開催されました。うちのM2は坂本さんと田坂さんです。たまたま今年はどちらもシカがテーマの論文となりましたが、内容はずいぶん異なります。
坂本さんは南日本型ニホンジカの寒冷適応という大きなテーマに挑戦しました。脂肪の蓄積についてはすでに先輩たちが手がけているので、彼女は蹄にかかる体重の圧力と毛衣の断熱性をテーマにしました。
進化がからむので、彼女の研究から離れた、かなり突っ込んだ質問が投げかけられて答えに窮していましたが、テーマがテーマだけに仕方のないことでしょうか。いい経験にはなったと思います。
田坂さんは澤野さんから引き継いだ宮島のシカの生態について。しかし研究の途中で桟橋のシカに対する給餌が禁止されてしまうという予想外の事態が生じたため、急遽テーマを給餌禁止の影響を含めたものに軌道修正しなければなりませんでした。こういうことがあると指導者としては内心心配で仕方ないものですが、研究室全体のバックアップと彼女のがんばりで無事乗り切って、応用に直結する結果を出してくれました。