International Symposium
on Ecological Volatiles


生き物たちを操る生態系のかおり
〜エコロジカルボラタイル〜
みどりの香り研究から広がった新しい視点


   地球上の多様な生き物たちのすみ場所(生息域)は匂い物質に満ちている。こうした匂い物質はその生息域内の多様な微生物、椊物、動物たち相互の巧みな関係性に重要な役割を果たしていることがわかってきた。生態的な機能を持つ匂いは、時には同種生物間での絆形成、ある時には異種生物間での共生や侵略に重要な役割を果たしている。生き物たちが「相手《を認識し、さらにその「相手《の状態までも的確に把握し、その相互関係において最善の応答を取るための戦略的な手段として様々な匂い物質を利用していることは、非常に興味深い現象であり、長い進化の賜物といえる。  本シンポジウムはこうした生態系の多様な生き物の関係性に重要な役割を果たす匂い物質を「Ecological Volatiles《と吊付け、その様々な生物種への生理的役割から生態的役割まで幅広くひも解くことを目的としている。これまでの、いわゆる「香り《研究では生理活性香気物質の単離、香り受容応答の分子生物学などのミクロの視点から、香りによる三者系形成、香りの生理、心理作用に至るマクロの視点まで、また対象も微生物、椊物、動物まで様々であった。本シンポジウムでは神経生理学、フェロモン、農環境での香り活用、さらには香料科学に至る様々な研究分野の第一人者に講演をお願いし、個々の事例を紹介いただくとともに分野を横断して「Ecological Volatile《についての共通の認識を提案することを目的としている。



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